共産党 「持続化給付金」不正受給を“口封じ”か  現役党員の東郷ゆう子さんが告発

給与明細に細工 本紙の質問書には回答無し

講演する東郷ゆう子さん(中央)= 22日、神戸市中央区文化センター

日本共産党直系の兵庫県灘民主商工会(民商)の事務局員で先の同県議選公認候補でもあった現役党員の東郷ゆう子さん(41)がこのほど、灘民商から解雇され党から権利制限処分を受けたのは不当であるとし、共産党中央委員会、県委員会、東灘・灘・中央地区委員会、灘民商、味口俊之神戸市議を相手取って神戸地方裁判所に裁判(訴訟および労働審判)を起こした。(次ページに訴状詳細)

東郷さんは令和2年8月28日に共産党に入党。同3年3月、灘民商に本採用された。主な業務は灘民商の会員が行う税務申告や各種助成金申請の補助業務などだったが、さまざまな「不正受給」を知ることとなり度重なるハラスメントを受けるようになった。

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訴状には、「コロナ対策で国から支援された持続化給付金を得るため、灘税務署の文書収受印が印字された透明フィルムを用いて作成した確定申告書の控えを重ねてカラーコピーをし、あたかも灘税務署の文書収受印が正規に押捺されたような確定申告書の控えを作成し、これを提出しての給付金の詐取や、神戸市の家賃サポート緊急一時金の不正受給、毎月、表と裏の給与明細を作成し給与支給額を低く見せかけての脱税行為などが行われていたとみられる」、と記されている。

東郷さんが業務を継続すれば「非合法活動をさらに知ることになる」と恐れた灘民商と共産党が、当時県議選の候補予定者がいなかったことから東郷さんに出馬を強く説得。落選後、灘民商は解雇の意思表示に及び、党は「解雇に関する調査のため」を理由に党員としての権利制限処分を行ったというのが経緯だ。共産党中央委はじめ県委員会、地区委員会に対しては、上意下達の「民主集中制」が徹底されている共産党においては使用者責任(民法715条)以上の報償責任を負うべきとの立場から損害賠償請求を行った。

神戸市中央区文化センターで22日、「灘民商(非合法活動のアジト)と日共の腐敗をただします」と題して講演した東郷さんは、全国に約600の事務所を持つ民商の事務局員に対して「党の思惑に従い、不正に加担しないよう目を覚ましてください」と強調している。

今回の件で、本紙は中央委など5被告に質問書を送ったが、期限の26日までに回答はなかった。木原功仁哉主任弁護士は、訴状の3件の不正受給についても「刑事訴訟を検討したい」と語っている。

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