パワハラ防止の陳情 3市で採択 条例制定の動き 拡大へ 政党機関紙の購読勧誘問題

庁舎内における政党機関紙の購読勧誘問題が6月、複数の地方議会(定例会)で審議され、神奈川県の南足柄市、綾瀬市、岩手県の滝沢市の3市でパワハラ勧誘防止などを求めた陳情が採択された。また、千葉県柏市ではハラスメント防止条例が6月2日に成立、即日施行されるなど、「政党機関紙の勧誘・購読の強要」などのハラスメントから職員を守る条例制定の動きも見られた。(しんぶん赤旗問題取材班)

管理職の「4割」も購読

●南足柄市(神奈川県)

総務福祉常任委員会は6月15日、「庁舎内における職員への政党機関紙の勧誘・配達・集金を自粛するよう求める陳情」について審議し、趣旨了承した。審議に先立ち、市側が陳情文に記された要請により管理職へのアンケート調査を実施。その結果、49人の管理職のうち43人が回答、そのうちの約4割(16人)が購読し、庁舎内での配達・集金に応じていることが分かった。さらに勧誘時に「心理的圧力を感じた職員」が全体の18・6%(8人)に上っていることも明らかになった。

陳情を審議する神奈川県足柄市議会。下は、アンケート調査結果を発表する市側の担当者(南足柄市HPより)

討議では、共産党議員が「4割以下の人しかとっていないわけでそれほど強制はしていない」「議員の行為を庁舎管理規則で規制するものではない。議員は非常勤特別職として庁舎内の立ち入りは自由だ。行政機関が干渉するものではない」などと主張。これに対して、「カウンターを飛び越えて(執務室に)勝手に入っていく自由は成り立たない」「心理的圧力を感じた職員のいる調査結果が出ている」などの反論が述べられ、賛成多数で採択された。

庁舎内管理規則厳守を

●綾瀬市(神奈川県)

総務教育常任委員会に付託された陳情が同8日、賛成3、反対2で趣旨採択された。陳情は、①市庁舎内での政党機関紙の勧誘・購読・配達への庁管理規則適用②政治的中立性への疑念を払拭するため読みたい人は配達先を自宅にするよう指導すること―に加え、「政党機関紙を勧誘されたり、その際に心理的な圧力を感じたという実態がないかを確認、調査を行政に求めること」を川崎市や金沢市などで行われたアンケート調査の実例資料を添付して求めたもの。

討論では趣旨了承の立場から「政党機関紙の勧誘行為がハラスメントととらえられても仕方がないなら、しっかりと対策をとるべきだ」「庁舎内管理規則の厳守を求める」などの見解が示された。不了承の立場からは「正当な政治活動は開かれているべきだ」「職員が政党機関紙を購読することがただちに庁舎内の政治的中立性を損なうことにならない」などの意見が出されたが、挙手により賛成多数で採択となった。

市民視線で判断すべき

●滝沢市(岩手県)

市議会本会議は同23日、「庁舎内における職員への政党機関紙の勧誘・配達・集金の自粛を求める」陳情について審議し、10対9の賛成多数で採択した。陳情の主な内容は、庁舎内管理規則の厳守、議員の優位的な立場を使って私費購入するよう圧力をかけないことや相談窓口の設置、パワハラ勧誘の有無の実態調査確認などを求めている。

反対の立場からは「憲法21条で政治的活動の自由が保障されている。これを規制するのは極めて抑制的なものでなければならない」(共産党議員)などの意見が出されたほか、実態把握のための「アンケート調査はやるべきだ」と述べた無所属議員もいた。賛成の立場からは「日常行われてきた行為自体が市民の視線でどうなのかという問題を提起したのが今回の陳情案件ではないか。集金活動も就業時間外であろうと時間内だろうと庁外もしくは自宅ですべきだ」などの主張が述べられた。

採択を受け、議会は今年の12月末までに執行機関(市)側へ処理の経過および結果の報告を請求することになった。

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