トップ国内中国海軍艦艇、先島諸島で初の「異例な」動き

中国海軍艦艇、先島諸島で初の「異例な」動き

沖縄周辺海域で緊張高まる

沖縄県の先島諸島周辺で艦隊行動を行った中国海軍のルーヤンⅢ級ミサイル駆逐艦=16日、防衛省統合幕僚監部提供

防衛省統合幕僚監部は18日、中国海軍の艦艇が沖縄県の先島諸島周辺で「異例の」艦隊行動を行ったと発表した。中国は19日から広島で開催された先進7カ国首脳会議(G7サミット)の首脳声明に対しても強く反発しており、緊張が高まっている。(沖縄支局・川瀬裕也)

G7首脳声明への威圧も

同省によると、海上自衛隊は16日未明、宮古島の北東120㌔の海域を北西進する中国海軍所属のドンディアオ級情報収集艦1隻を発見。その後同艦は沖縄本島と宮古島の間の海域を東シナ海へ向けて北西進したことを確認した。

海自はさらに午前9時ごろ、与那国島の南東50㌔の海域を北西進するルーヤンⅢ級ミサイル駆逐艦2隻および、フチ級補給艦1隻の計3隻を確認。さらに同日午後7時ごろには宮古島の北東約110㌔の海域を北西進するレンハイ級ミサイル駆逐艦1隻とジャンカイⅡ級フリゲート艦1隻の計2隻を確認した。

その後この2隻は、与那国周辺海域を航行していた3隻と合流し、久米島の西約80㌔の海域を、東シナ海に向けて北西進したという。

防衛省によると、このように中国海軍の艦艇が二手に分かれて先島諸島を囲むように航行した艦隊行動の確認は初めてで、「極めて異例」と分析。中国側は具体的な理由などは発表していないが、G7に対する威圧だと見る声もある。いずれにしても防衛省は「軍事的プレゼンスを拡大する動き」であるとして、警戒を強めている。

そんな中、中国外務省の報道官は20日、G7広島サミットの首脳声明で台湾海峡の平和や、ウイグル・チベット・香港などの人権問題が取り上げられたことに対し、「中国の内政に対する粗暴な干渉だ」と批判し「強烈な不満と断固たる反対」を表明。21日、同省の孫衛東次官が在中国日本大使館の垂秀夫大使を呼び、厳正な申し入れを行ったと発表した。

また20日には、石垣市の尖閣諸島沖で中国海警局の「海警」2隻が日本の領海に侵入し、日本漁船に接近する動きを見せ、海上保安庁の巡視船が漁船の安全確保と中国船への警告を行った。尖閣諸島沖での中国公船の領海侵入は今年に入り既に14回発生している。

このような動きの中、3月30日付で陸上自衛隊・西部方面総監に着任した山根寿一陸将が19日、着任あいさつで県庁を訪問し玉城デニー知事と面会した。

そこで山根氏は、県が設置を検討している「危機管理補佐官」について、現場での経験を踏まえ、自衛官OBの採用を検討するよう提案し、自衛官募集への協力を要請した。

これに対し玉城氏は、自衛官確保については「協力したい」としたものの、危機管理補佐官については、「民間からの公募を検討している」と、従来の姿勢を崩さない考えを示した。

玉城氏は石垣島や宮古島などでの自衛隊の抑止力強化の動きについて、「県民は不安を抱かざるを得ない」と懸念を伝えたが、沖縄周辺で軍事的緊張が高まる中においても、自衛隊との距離感をにじませる玉城氏の姿勢に不安感を覚える県民も少なくないだろう。

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