トップ国内命と安全を守る議論を 緊急事態対応の必要性訴え 改憲派集会で首相メッセージ

命と安全を守る議論を 緊急事態対応の必要性訴え 改憲派集会で首相メッセージ

安保/災害/感染症…変化する時代の憲法記念日

「公開憲法フォーラム」にビデオメッセ ージを寄せる岸田文雄首相 = 3日午後、東京都千代田区(辻本奈緒子撮影)

緊急事態における国会議員の任期延長など、改憲に関する議論が進みつつある中で迎えた憲法記念日の3日、全国各地で改憲派と護憲派がそれぞれ集会を開いた。

改憲派の民間憲法臨調(代表=櫻井よしこ)などは「第25回公開憲法フォーラム」を都内で開き、岸田文雄首相が自民党総裁としてビデオメッセージを寄せた。

首相は現行憲法について、「時代にそぐわない部分、不足している部分が生じている」とし、「社会が大きく変化する今だからこそ、われわれは挑戦し続けなければならない」と改憲の意義を強調した。

自衛隊明記に対しては、北朝鮮のミサイル発射などを念頭に「戦後最も厳しく複雑な安全保障環境に直面する中で、自衛隊を憲法にしっかりと位置付けることは極めて重要」と指摘。さらに災害や感染症など緊急事態への備えに対して、「迅速な対応を確保するため、憲法にどのような規定が必要か。国民の命と安全を守るため、真剣に議論を深めていかなければ」と、緊急事態条項の必要性を訴えた。

主催者を代表して講演したジャーナリストの櫻井よしこ氏は、北朝鮮のミサイル開発を受け、韓国が平和志向外交を転換し、核武装などの議論も高まっているとした上で、「隣国は現実を見て対処をしている。わが国はどうか。根本的に変わらないといけない」と指摘。国内の世論調査でも、改憲賛成が多数派を占めているとし、「今の日本国のあり方で、国民の命や国土を守り通せるとは思わないのが国民の実感だ。実りのない憲法審査会を延々と続けるのではなく、直ちに憲法改正に取り組んでほしい」と呼び掛けた。

このほか、集会では自民、公明、日本維新の会、国民民主党の幹部らが出席。日本維新の会の音喜多駿政務調査会長は、緊急事態下での国会議員の任期延長に関する憲法改正の条文案を、国民民主党などと共同で発表したことに触れ、「野党間で党派を超えて具体的な条文をまとめられたのは大きな一石。国民投票の実現に向けて邁進(まいしん)しよう」と語った。

一方、国民民主党の玉木雄一郎代表は9条2項を残して自衛隊を明記する自民党の改憲案を「生ぬるい」と批判。「自衛隊を明記すれば組織としての違憲論は解消されるが、行為としての違憲論は消えない。違憲だと後ろ指をさされない国防規定を作らなければいけない」と主張した。

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