「パワハラ禁止」の陳情 全国15の市町村で採択 共産党機関紙「赤旗」購読勧誘問題

東京・調布市役所
地方自治体の庁舎内で、日本共産党の議員らが自治体の幹部職員らに政党機関紙の購読を勧誘する際、パワハラによって勧誘することを禁止するよう求める陳情が、3月地方議会において「少なくとも4市議会」で採択されたことを本紙3月29日付で報道したが、その後の調査で全国8都道府県の15の市町村で、同様の陳情が採択されていたことが分かった。一つの定例議会の会期中に同趣旨の陳情が多数採択されたのは初めて。(「しんぶん赤旗」問題取材班)

今回採択されたのは、北海道・千歳市、秋田県・上小阿仁村、北秋田市、湯沢市、八郎潟町、山形県・寒河江市、福島県・北塩原村、東京都・清瀬市、調布市、稲城市、武蔵村山市、岐阜県・中津川市、愛知県・高浜市、幸田町、兵庫県・高砂市の15の自治体。

陳情書の多くは「庁舎内における職員への政党機関紙の勧誘・配達・集金を自粛するよう求める」という「赤旗」を明示しないタイトルになっている。

ただ、政党機関紙といっても議会での審議は自民党や公明党の機関紙ではなく、共産党機関紙に照準が当たっており、「しんぶん赤旗」に絞ったタイトルの陳情を審議した自治体(中津川市)もあった。 東京都調布市の総務委員会では3月16日、共産党議員が「一部メディア報道から不安を感じて提出したもので、陳情には調布市の具体的事例の言及はない」として不採択を主張した。

しかし、市の元職員で公明党の現職市議が、「本陳情は調布市役所内でも現実行われている事実である」と断言。さらに、「私が議員になる前、市役所の管理職になる内示を受けたその日に、今は現職ではないがこの政党(共産党のこと)の議員さんからおめでとう(と言われ)、その次には赤旗購読の勧誘をされた」と述べるとともに「私は、管理職の机上にこの新聞が配布されている事実も見てきた。職場の中に入ってきて、集金をする、金銭のやり取りという現実がこの調布市役所でも行われている」と証言し、共産党の主張を全面的に批判した。これを受けた24日の本会議では多数で趣旨採択されたことが報告された。

注目されたのは、北海道・千歳市、兵庫県・高砂市、山形県・寒河江市の3市が、議会で陳情を審議する前に、独自に市役所内の実態を把握するためのアンケート調査などを行い準備をしたこと。そのデータがあるのとないのとでは審議内容に大きな違いが生じるからだ。

千歳市では3月7日から15日まで課長、次長、部長職140人(市民病院は事務局配属職員のみ)にアンケート調査を依頼し、120人から回答を得た。回答率は85・7%。「本市市議会議員から政党機関紙の購読の勧誘を受けたことがありますか?」に対し「ある」と回答したのが66人。半数以上の幹部職員が勧誘を受けた。

spot_img
Google Translate »