衆院千葉5区 野党に追い風も乱立で激戦 【連載】衆参補選 現場を行く(2)

候補者の演説を聞く有権者たち=11日、千葉県市川市

政治資金規正法違反で罰金の略式命令を受けた自民の元衆院議員、薗浦健太郎の辞職に伴う補選。自民候補を迎え撃つ野党に追い風が吹くはずだが、立憲民主、日本維新の会、国民民主、共産の各党公認候補らが“乱立”し激戦となっており、各党とも序盤から首脳クラスが応援に駆け付けている。

トレードマークの水色のパーカーを羽織った自民新人、英利(えり)アルフィヤは告示日の11日、市川駅前で行った街頭演説の第一声で「未来のため、力強い外交・安全保障のために力を貸してください」と訴えた。

自民に「政治とカネ」の負のイメージが付きまとっており、「序盤の情勢では立民候補にリードを許している」(自民幹部)。アルフィヤは中国の新疆ウイグル自治区出身の両親を持ち、国連や日銀で勤務経験がある。昨年夏の参院選比例区に自民公認で出馬したが落選した上に、千葉とも縁遠く、知名度アップが課題だ。

出陣式でマイクを握った幹事長の茂木敏充は、「即戦力として活躍が期待できる」と支持を求めた。15日夕には首相の岸田文雄が爆弾事件の当日にもかかわらず応援に駆け付けた。

立民にとってはやや期待外れの展開だ。薗浦が辞任した当初、「与野党一騎打ちになれば勝算がある」と見通した。東京に近い、千葉5区の浦安、市川両市は無党派層が多いのが特徴。21年の前回衆院選では、立民、維新、国民の3党公認候補の獲得票の合計は約12万6000票で、薗浦の約11万2000票を上回る。だが今回は維新、国民に加え共産まで公認候補を擁立した。

立民公認の前県議、矢崎堅太郎は約7万票を得た21年衆院選に続いて2回目の国政挑戦。有権者の最大の関心事である「政治とカネ」の問題で徹底的に自民を批判する選挙戦を展開する。JR新浦安駅前、イメージカラーの赤いネクタイを締めたスーツ姿で「政治を目指した原点はリクルート事件」とした上で、「自民党の政治に対してNOと言える選択を」と第一声を上げた。

浦安市での出陣式に現れた党代表・泉健太は、「自民党議員の古い政治によって起きた補欠選。正義の1票を集中し、おかしな政治を一緒に変えよう」と訴えた。連合の支持が国民と割れていることもあり、支援者はまばら。前哨戦となる統一地方選の県議選では、浦安市選挙区(定数2)で立民候補は落選した。

維新は改選前議席ゼロだった県議選で4議席を獲得し、勢いづいている。11日、市川市の本八幡駅前で新人の岸野智康の応援演説をした党幹事長の藤田文武は、「自民党のたるんだ政治、古い体質を壊していかないといけない」と主張。自民批判票の受け皿を狙う。

同日、国民の新人、岡野純子の応援で市川市入りした代表の玉木雄一郎は「ポイントは(政治とカネの問題の)先にある。給料が上がる経済を」と述べ、他の野党との違いを際立たせた。

共産公認の元衆院議員の斉藤和子には委員長の志位和夫が応援。市川駅前に集まった支援者を前に、岸田政権の防衛費増額を「大軍拡」と批判し、「平和を願う1票を」と呼び掛けた。(敬称略) (衆参補選取材班)

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