トップ国内秋田県内最大級の町家「旧松倉家住宅」 修復整備し新たな交流の場に

秋田県内最大級の町家「旧松倉家住宅」 修復整備し新たな交流の場に

「旧松倉家住宅」の外観。一部は2階建て

新たな賑(にぎ)わいの場として、明治時代の完成された町家(まちや)としては秋田県内最大級の「旧松倉家住宅」(県指定有形文化財)が3月下旬、文化交流施設として生まれ変わり、さまざまなイベントが開かれている。

江戸時代は油を扱う商家として、明治時代からは大地主であり穀物取引も行った松倉家。江戸時代、交通や流通の要だった「羽州(うしゅう)街道」と山形県に通じる「酒田街道(羽州浜街道)」の合流地点に位置し、近くの旭川に架かる橋一帯は船着き場として活気を呈した。

一帯の旧町名は馬口労(ばくろう)町で、藩政時代は馬市が開かれ、運搬に使う馬や人夫を提供したり、交通・運輸の中心として旅籠(はたご)も栄えた。現在も旧町名で竿燈(かんとう)に参加する歴史のある町だ。

同家の所有者から寄贈を受けた秋田市では令和元年度から修復整備工事を実施。

庭が見える和室と座敷、米蔵はワークショップや講座、お茶会、サークルなど交流の場として低料金で貸し出し、店座敷や居間、文庫蔵、土間などは無料で観覧・休息できる。

同住宅の案内人は「貝殻を塗った壁や欄干の意匠、外国製の壁時計など、建物の随所に当主や棟梁(とうりょう)の遊び心と技が秘められています。市内ウオーキングの案内冊子もあります」と利用を勧める。

13台の駐車スペースがあるほか、JR秋田駅西口からはバス路線「新屋(あらや)線」で「旭南(きょくなん)三丁目」下車(約17分)。

(伊藤志郎、写真も)

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