徳島県知事選 保守3分裂 激戦続く 【連載】統一地方選2023 現場を行く(2)

経済活性化が焦点の一つの徳島県知事選は 4人による混戦に 3月27日、徳島市内

5期20年におよぶ飯泉(いいずみ)嘉門県政の継続か、刷新を求めるかが最大の争点。飯泉は前回2019年の知事選で多選を批判する元県議に3万6千票差まで迫られた。多選批判は自民県連内にもくすぶっており、今回、県連幹部は飯泉に勇退を促し、ポスト飯泉に向けて調整を進めたが不調に終わった。本人が辞任を固辞した上に、反知事派の間でも調整がつかず、自民の国会議員2人が職を辞して出馬する異例の保守3分裂の選挙になった。

自民県連は結局、飯泉を推薦。地元選出の衆院議員2人と所属県議の大半も飯泉を支持している。告示日に飯泉は普段のままのスーツ姿で登壇。コロナ禍や人口減少を念頭に、「県内をいまだかつて経験したことがない困難が襲っているが、一日も早く安心を実感してもらえる徳島を築き上げていく」と強調。応援弁士はそろって県政継続の必要性を訴えた。

頼みの公明が自主投票に回ったことは誤算だ。元国会議員の2人より出馬が遅れたことも響き、地元紙の世論調査では後藤田の後塵(こうじん)を拝している。

いち早く出馬を表明した三木亨は第一声で「疲弊しきった徳島に活力を、昔の輝きを取り戻していく一念で戦いに臨む」と決意を述べた。父・申三は元県知事で知名度は高いが、本人の知名度はいまひとつ。自身が属していた二階派からのテコ入れがあり、出陣式には顧問の河村建夫元官房長官らが応援に駆け付けた。ただ、派閥を超えた支援の広がりはない。

参院議員を辞しての出馬に対する反発も強い。徳島県選挙区が高知県選挙区と合区となり、比例代表の「特定枠」で当選していたためだ。ある地元市議は「辞任により地元選出の参院議員を失ったことの落胆は大きい。出馬断念を説得してきたが、聞く耳を持たない」と残念がる。

後藤田は、大叔父に官房長官などを歴任した後藤田正晴を持ち、衆院議員当選8回で知名度は抜群だ。前回の知事選では、自民県連の飯泉推薦に反発し、新人を応援したが、今回は自ら出馬した。国政と経済界に太いパイプを持っており、経済界からの期待度は高い。

徳島駅前での出陣式には青いセーターのラフな姿で現れた。「選挙戦、ずっとこの格好でいきます」。そう述べた後藤田は「全国と渡り合える徳島にしたい」とアピールした。党本部や県連の組織的な応援を得られないことを逆手に取り、「県民主役」がスローガンの組織に頼らない選挙戦を展開。若手経営者らが自主支援し、SNSを駆使した空中戦に力を入れる。

ただ、前回の衆院選では選挙区で当選できず比例復活となった上、派閥を転々とした影響で国会議員の支援も乏しい。ライバル陣営の幹部は「国会に居場所がなく、苦肉の策としての県知事転身ではないか」といぶかる。

古田は唯一、自民にルーツを持たない候補だ。告示日に共産党の衆院議員、宮本岳志が応援に駆け付けた。古田は「保守が分裂し、野党にとってチャンス」と強調し、「自民党の悪政から県民を守る防波堤になる」と訴えた。ただ、立憲民主と国民民主は自主投票を決めており、支持の広がりは限定的だ。

(統一地方選取材班)

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