「パワハラ勧誘の禁止を」3月の地方議会 高浜など4市で陳情採択 共産党機関紙「赤旗」購読問題

地方自治体の庁舎内で、日本共産党議員らが優越的立場を利用して幹部職員らに同党機関紙「しんぶん赤旗」の購読を勧誘することがたびたび問題になっているが、この3月、少なくとも四つの市議会でパワハラに当たるような勧誘行為の自粛や相談窓口の庁内設置を求める陳情が採択されていたことが分かった。(「しんぶん赤旗」問題取材班)

採択されたのは、岐阜県中津川市、愛知県高浜市、兵庫県高砂市、東京都清瀬市。赤旗勧誘の実態調査を求める陳情は2014年5月、福岡県行橋市の市議が全国の1788自治体に送付。以来、管理職への購読強要を禁止する陳情や請願が相次ぎ、全国の市町村議会で採択されてきた。そうした動きが現在も続いていることが明らかになった形だ。

中津川市では3月10日、総務企画委員会に「政党機関紙(赤旗)の市庁舎内での勧誘・購読・配達を自粛する事に関する陳情」が出され、「執行部(市当局)はこの陳情書をよく見て職員に対する検討をしてもらうことが望ましい」「職員に対するパワハラの周知徹底、相談窓口の設置などの検討を委員会のまとめとして市に申し入れる」ことが採択された。

高浜市では3月23日の本会議で圧倒的賛成多数により同様の趣旨の陳情が採択された。10日に開催された総務建設委員会では陳情者が約5分間、登壇して意見陳述を行い、①執務室内に許可なく立ち入り政党機関紙の勧誘・配達・集金が行われないようにすること②読みたい職員は自宅を配達先にすること③議員が優位的な関係を背景として職員に私費で購入する圧力をかけないようにすること④勧誘されたりする際、心的圧力を感じた実態がないか調査すること⑤声を上げにくい職員のために相談窓口を設置すること―を求めた。 

また、同陳情者が、日本共産党は「敵の出方論」に立った暴力革命の方針に変わりはなく破壊活動防止法に基づく監視対象になっていると岸田文雄首相が述べたことを取り上げ、購読が資金源になっていることを指摘した。これに対し共産党市議は委員長から「陳情の範囲内」で発言するよう繰り返し求められながらも「非常に問題の意見だ」と不満を表明した。同委員会ではさらに、実際に高浜市庁舎で購読の強要などの事実があるのかについて、市の職員OBで現職の市議が「必ず管理職、副主幹とかリーダーになると購読勧誘などの話があり、圧力を感じていた」と証言した。

高砂市では3月9~15日、管理職全員の163人に対して政党機関紙購読のアンケート調査を行い、「しんぶん赤旗」を32人が購読勧誘され、その半数が「圧力」を感じたことが判明。27日の本会議では、共産党議員が「陳情者の思想や背景を調査すべき」だと主張したが、議長が「調査などしてはならない」と同議員を注意し、18対1で「庁舎内における職員への政党機関紙の勧誘・配達・集金を自粛するよう求める陳情」が採択された。28日の清瀬市議会本会議でも「庁舎内の政治的中立性を疑われるような行為は慎む」などを趣旨とした同様の内容の陳情が採択された。

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