
日本共産党機関紙「しんぶん赤旗」を公費で購読している中央の11省が年間計431万円余りを支出していることが分かった。そのうち、厚生労働省と文部科学省の購読数が突出して多く、両省の年間購読料だけで240万円以上にも及ぶ。岸田政権が暴力破壊活動を行う可能性のある監視団体であると6日に閣議決定したばかりの日本共産党の活動資金の9割が、この「しんぶん赤旗」の購読料で占められていることから、同党への事実上の政治献金に国民の血税が使用されていることの是非を巡って検討が求められそうだ。(「しんぶん赤旗」問題取材班)
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本紙はこのほど、霞が関の11省における本年度の購読数や配達許可証発行の実態をまとめたデータ資料を入手した。それによると、11省全体で「しんぶん赤旗」の購読数は、日刊紙が94部、日曜版が33部で、年間購読料は431万2896円に及ぶことが分かった。 その中で、突出して多いのが厚生労働省の51部(日刊34、日曜版17)だ。この購読契約に際して同省は、支出負担行為担当官・会計課長と赤旗千代田出張所所長との間で、「信義誠実の原則」「行為要件に基づく契約解除」「不当介人に関する通報・報告」など27条から成る「契約書」を交わしている事も判明した。続いて多かったのが文科省の20部(日刊19、日曜版1)だった。過半数の約56%が両省の部数ということになる。
庁舎内への配達許可証については、外務省、文科省、国土交通省が出している。特に文科省は19部を毎日配達するのに許可証を4人に出していることになる。さらに、国土交通省は「駐車許可証」まで提供し、合同庁舎3号館南門の駐車を毎日認め、入省させていることなどの実態が明らかになった。

日本共産党の財務・業務委員会責任者の岩井鐵也氏は2019年8月28日、「赤旗」読者に対して「『しんぶん赤旗』の事業は党の財政収入の9割をしめるという決定的な役割を担っています。『しんぶん赤旗』の危機は、党財政の困難の増大そのもの」「議会活動や国民運動の中での役割を果たすことができる物質的保障になっている」として事態の打開を訴えた。つまり、「赤旗」の購読は共産党への献金につながっており、国民の血税が総額430万円以上も毎年、暴力破壊活動団体と警戒される組織に資金援助されていることになるのである。
「国政の資料として使用することもあるだろう。ただ、破防法の被監視団体である共産党の党員が機関紙を配るために許可証を出すのは問題でないか。また、同じ部局で3部とか5部も購読する必要があるのか。都道府県庁や全国の市町村でもまだまだ無駄はあるようだが、中央の省で率先して見直すことが必要だと思う」とデータ資料を作成した関係者は語っている。