【連載】安倍元首相 暗殺の闇 第2部 恨みと凶行の間(4)

ネット上で協力者求めた痕跡

山上容疑者はTwitter上でも暗に協力者を求めていたとみられる(画像一部加工)

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安倍元首相 暗殺の闇 第2部 恨みと凶行の間(3)ネットの偏向・誤情報が拍車

取材を進める中で、山上徹也容疑者が米本和広氏のブログで「我、一命を賭して全ての統一教会に関わる者の解放者とならん」と宣言した投稿のハンドル名「まだ足りない」に、メールアドレスが埋め込まれていたことが分かった。同ブログのコメント欄にコメントする際、ハンドル名やメールアドレス、自身のサイトのURLなどを記入する欄があるが、ほとんどはアドレスを付さないハンドル名だけの投稿が多い。

同じ日の投稿には、「復讐は自分がやる」「喉から手が出るほど銃が欲しい」などの書き込みもある。教団トップを殺害するヒットマンに自分がなるから銃をくれと言っているようなものだ。そのコメント欄で自身のアドレスを一度だけ公開したのは、単なる手違いだった可能性もあるが、協力者を求め敢(あ)えて公開した可能性も排除できない。なぜなら、山上容疑者が使用していたこのアドレスはプロトンメールのものだったからだ。

プロトンメールは、プライバシー保護法が強力なスイスで運用されており、米国や欧州連合(EU)など国家権力も及ばない秘匿性の高いメールサービスだ。ヤフー、グーグル、ニフティなど日本人がよく使用するメールサービスではなく、プロトンメールのアドレスを公開した「まだ足りない」こと山上容疑者は、メール上で協力者を募り、秘密のやりとりを行うことを想定していたのではないか。

山上容疑者は、事件の数年前にかつて面識のあった教団の元幹部に宛て、「今も統一教会を憎んでいますか」とのメールを送っている。さらにツイッター上にも21年5月、「統一教会を、文一族を、許せないという思いがあるならどうか連絡して下さい」と同幹部に向けたと思われる投稿をしている。わざわざ他の利用者が閲覧できる場所にこのような文章を残したのも、暗に協力者を探すためとみられる。

これら一連のSNSへの投稿を見て、山上容疑者に協力ないし利用しようとアプローチしてきた人物がいたとしてもおかしくない。安倍元首相銃撃は、山上容疑者の単独犯の線で捜査は進められているようだが、そう決め付けるのは早計だ。共犯者、協力者がいなかったか徹底的な真相究明が求められる。

安倍元首相の銃撃については、安倍氏の救命治療に当たった奈良県立医大付属病院の福島英賢医師(教授)の心臓に穴が空いていたとする所見と、心臓に損傷はなかったとする奈良県警の司法解剖の結果の所見が全く相反するなど不審点が多く、青山繁晴参院議員(自民)から究明を求める声が上がっている。

それを受けて9月30日、奈良県議会の総務警察委員会で中野雅史県議(自民)がこの問題を取り上げ、警察側に説明を求めた。これに対する安枝亮奈良県警本部長の答弁は、左右鎖骨下動脈の損傷が「致命傷」となり、この傷による失血が死因であり、「心臓には銃による傷は認められなかった」とこれまでの説明を繰り返すものだった。

中野県議は「違う犯人がいるのではないか、死因に問題があるのではないか、あるいは警察が隠していることがあるのでは。こういうことがネット上で流れている」とした上で、これを「情けないかぎり」と述べている。この点から察して、この質疑は安倍氏暗殺に対するさまざまな疑問が噴出し続ける事態の鎮静化を狙ったものに見える。しかし県議会でのやりとりは、全くそれに応えるものではなく、疑問はさらに深まったと言える。

(世界日報特別取材班)


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