【連載】日本共産党100年 第2部 警戒解けぬ「革命集団」(3) ヘロインの密売

中国から密輸 党資金に

日本共産党の地方幹部が麻薬密売で逮捕されたことを顔写真付で報道する「朝日新聞」50年10月6日付

朝鮮戦争は朝鮮半島だけが戦地になったわけではなく、日本本土も戦場になった。日本共産党による武装闘争とともに、中国共産党や北朝鮮の協力を通じて大量の麻薬が日本に流入し、それを日本共産党員らが密売して党資金にしたこともあったのである。

米国の初代連邦薬物局長官アンスリンガーが51年に語った証言によると、中国共産党員4千人の部隊が、日本の主要開港都市や多くの米軍基地付近でアヘンとヘロインを密売するため動員された。

これは厚生省麻薬課(当時、現在の厚生労働省・麻薬対策課)の推薦付きの邦訳書で発刊された『中共の麻薬政策』(米労働総同盟アジア代表のデブェラル著、55年)の中で明らかにされたもの。52年には国連の麻薬委員会で米国代表が「中国共産党と北朝鮮は、日本共産党の活動資金を賄うため麻薬取引を行っている」と非難した。

厚生省麻薬課長(当時)だった久方楽也が自著『麻薬物語』(60年刊)の中で「我が国に密輸される麻薬は、主として中共地区より密輸入されたものであるが、中共地区においては“組合組織”でケシを栽培してこれよりアヘンを採集し、政府管轄の倉庫に集結されるところである」と述べている。

先のアンスリンガーも「中国共産党から日本にヘロインが絶えず流入している」と国連に報告したように、中国共産党は国家政策として日本共産党および在日朝鮮人らに麻薬提供という形の支援をしていたものとみられる。

アヘンやヘロインを密輸入する主な手段は、日本と国交のなかった中国や北朝鮮に日本共産党幹部を行き来させる同党所有の「人民艦隊」だった。「艦隊」といっても20㌧~30㌧程度の小型漁船にすぎなかった密航船が、主に香港、北朝鮮の二つのルートで北九州、瀬戸内海沿岸、対馬、山陰、新潟、北海道などの警備の手薄な港に運んだ。

例えば、50年9月から10月にかけて起きた東京でのヘロイン大量密売事件は、北朝鮮の元山から密輸入されたものだった。先の久方の『麻薬物語』によると、「日本共産党が資金かせぎのため大量の麻薬ヘロインを密売せんと買主を物色中との情報が流れ、東京都麻薬取締官事務所の全取締官が動員されて捜査が行われた」。

その結果、朝鮮人孫享の依頼によりヘロイン約450㌘を受け取り密売しようとした山本斉らを逮捕した。「朝日新聞」50年10月6日付は「麻薬を密売 共産党九州地方委議長逮捕」の見出しで党の地方幹部だった山本を顔写真入りで報道。捜査当局が「共産党の資金網と関係があるのではないか」と見て、山本の背後関係を追及していると伝えている。

米国に亡命したソ連の対日諜報員ラストボロフの米議会証言(54年)によると、ソ連の工作員がつかんでいた日本人エージェントは50年時点で約500人に上り、情報提供の協力者は8千人以上いた。

51年11月には30万米㌦を日本共産党幹部に直接手渡すなど資金面での協力も惜しまなかっただけでなく、ヘロインを密輸する中国人共産党員や密売する日本共産党員、在日朝鮮人を支援していた。

当時の共産党の資金は、党費(党員1人、年に千円)や大口カンパで年間約1億円を集めた以外は、ソ連や中国からの資金援助と麻薬密売益が大きかったものとみられる。(敬称略)

(日本共産党100年取材班)

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