共同通信が現在、全国の都道府県の知事、議員、政令市長に対して行っている「世界平和統一家庭連合(旧統一教会)に関するアンケートのお願い」の内容を、本紙はこのほど入手した。朝日新聞が今夏実施したアンケートのように「問題があると思う議員の行為の情報」まで無記名で提供を求めた密告を促す質問こそないものの、魔女狩り的な九つの質問を連続。最後に「解散命令請求をするべきだと思うか」を4択で問い、その理由についても記入するよう求めている。アンケートを受け取った議員らからは「憲法が保障する信教の自由を侵す不適切な質問だ」など批判の声が噴出している。
今回のアンケートは、国会議員712人に行った8月の調査に続くもの。「旧統一教会を巡り、霊感商法や献金の問題、地方や中央政治との関わりが広く指摘されていること、また岸田文雄首相が宗教法人法に基づく調査に乗り出す方針を決めたことから実施」するとし、「編集局長小渕敏郎」の名前で出され、回答期限を11月10日としている。
質問対象は旧統一教会にとどまらない。「友好・関連団体」との定義も示さずに「天宙平和連合、世界平和連合、原理研究会、世一観光、平和大使協議会」など多数の組織を挙げ、「寄付やパーティー収入、物品供与を受けたことがあるか」や「旧統一教会等が掲げる政策を推進するよう『推薦確認書』の提示を受け、署名を求められたことがあるか」といったことにまで回答を要求。あった場合にはその金額や時期、趣旨、署名を求めてきた団体等の名称と時期を記すよう求めている。
報道機関であり一般紙の世界日報についても「関連団体」に含め、「インタビューや対談記事などが掲載されたことはあるか」などとし、あった場合には「媒体名と取材・掲載時期」を教えるよう質問している。本紙は、大臣会見や政党記者会見で共同通信らと席を同じくし社名を名乗って質問もしてきた。ある県議は「報道機関からの取材を政治家が受けることが問題なのか。自らが報道の自由に抵触していることに気づいていないのではないか」と指摘している。
また、西日本のある県議は、「憲法で保障されている信教の自由、内心の自由を侵すような内容のアンケートを送りつけてくること自体異常で、報道機関としての見識を疑う。『旧統一教会の解散命令請求をすべきだと思うか』という質問があるが、まだ調査段階である問題に対して、先走った判断を促す極めて不適切な質問まで含まれている。まったく答えるに値しない」と憤慨している。