6品種計4500個発送整う

富山県砺波市(となみし)では、毎年、皇室に県産チューリップの球根を献上している。今年も先月、6品種計4500個を、天皇皇后両陛下と上皇陛下御夫妻、秋篠宮殿下御夫妻はじめ宮家の方々への発送準備が整った。
球根を献上しているのは、同市大門の県花卉(かき)球根農業協同組合。品種は富山オリジナル品種の「黄小町(きこまち)」や農林水産大臣賞を受賞した「オレンジファンアイク」(高岡市の㈱清都)、北陸農政局長賞を受賞した高島宗雄さん(魚津市)の「とやまレッド」などで、今年5月の県チューリップほ場品評会で上位入賞した球根ばかりだ。
御献上作業では、市職員2人がネットに入った球根を500個ずつ慎重に箱に詰めた。11月中に皇室へ配送する予定だ。天皇皇后両陛下、上皇陛下御夫妻にはそれぞれ1千個、秋篠宮殿下、常陸宮殿下、三笠宮妃百合子殿下、寛仁親王妃信子殿下、高円宮妃久子殿下には500個ずつ贈られる。
献上は旧砺波市施行の1954年から毎年行われ、今回で69回目になる。同協同組合によると、今年は春の低温の影響で葉の成長が遅れ、出荷量は豊作だった昨年に比べて約170万個減の1178万個で、平年並みだった。献上する品種は先月、同市チューリップ四季彩館で開かれた「となみチューリップ球根まつり」でも販売された。ネットでも購入できる。
石田智久組合長は「春の積雪と低温の影響で小ぶりだが、傷みが少なく昨年より品質は良好です。品種が充実しており、美しい花を咲かせてくれるでしょう」と期待を込めている。
(日下一彦)