「有志」が申立書提出
愛媛県四国中央市議会でこのほど、世界平和統一家庭連合に関して行った日本共産党市議会議員の発言が違法であるとして、同家庭連合傘下の四国中央家庭教会の「有志」が議事録からの削除を求める申立書(9月26日付)を同市議会に提出した。その結果、「カルト」の文言削除など7カ所について共産市議が受け入れていたことが分かった。(「宗教と政治」取材班)
問題の発言は9月14日に行われた。議会事務局担当者らが申立書をもとに同市議に聞き取り調査を行った結果、発言が取り消された。その第一は、霊感商法の被害額に関するもの。1987年から2021年までの被害が3万4537件、総額1237億円に上っているとし、「これは氷山の一角で実際の被害額はこの100倍とも言われています」の箇所。
「有志」は「2009年のコンプライアンス宣言以降に伝道された人が教会を被告とする裁判を起こした件数は4件」で、「全員、家庭連合を当初から明かされ信徒になっているにもかかわらず、後日心変わりして提訴した案件が2件で、あとは本人ならぬ親族の反対で後見人が提起した案件が1件、本人他界後に相続人が提起した案件が1件」だったなどとし、「全く信憑性に欠ける発表を鵜呑みにした発言は、それ自体が名誉棄損に該当」すると主張した。
取り消しの第二、第三の箇所は、正体隠しによる伝道により人生を壊され、家庭を壊され、被害者が加害者となり広げていく「この被害、現在進行中です」の部分と「そして、被害者だった方が加害者になることもあるということで、正体を隠して他の人を勧誘したり、だましたり、脅迫したり、献金させたりする被害者になってしまうということです。」の部分。
「有志」は「家庭連合を明かして伝道」しており現在進行形の発言は「でたらめ」とし、現在の信徒の誰もが被害を受けていると思っておらず、自ら進んで献金等の貢献をしているのであり、「家庭連合が『被害』を加えているかのごとく表現するのは、地方自治法が禁止する『無礼の言葉』の『使用』に該当することはもとより(132条)、宗教弾圧に他ならない」と指摘した。
また、「カルト教団」「カルト集団」「カルト団体」と、3カ所で使用された「カルト」の文言が削除された。「有志」は、愛知県で教会の塀にペンキで「カルト」と書いた者が、器物損壊および侮辱罪で罰金刑に処せられていることを例示し、「カルト」との表現は、地方自治法が禁止する「無礼の言葉」の「使用」に該当するとともに侮辱罪(刑法231条)に該当すると主張した。
事実の無視や言葉の誤用などによる法令違反の発言が他の地方議会でも行われている可能性がある。