【連載】全国弁連「霊感商法被害」の実相(下) 「被害件数」を人数のように装う

30年近く10倍以上の発表

(全国弁連HP商品別被害集計より)

また被害金額を見ても、全国弁連の霊感商法被害集計は、霊感商法と関連した商品(開運商品)以外の商品(その他商品)や商品販売とは異なる4項目の「被害金額」までカウントすることで、途方もなく誇張されたものになっている。

総額1237億3000万円とされる被害金額のうち、商品別の記載がない1987年と88年の金額を引くと999億2000万円で、そのうち開運商品5項目の被害金額は93億7000万円(約9・4%)。これに献金・浄財386億3000万円(38・7%)、借入299億円(30・0%)、内訳不詳・その他175億4000万円(17・5%)などが加算されているわけだ。

商品別被害集計の被害金額を87年から年ごとに開運商品など6項目に分類してみたところ、いわゆる「霊感商法」の被害は既に94年以来、常に全体の10%以下にとどまっている。すなわち、全国弁連はその時から30年近く、毎年、消費者問題としての霊感商法とは関係のない「被害」で10倍以上に膨らませた金額を「霊感商法被害」として発表し続けてきたわけだ。

全国弁連は「旧統一教会、現家庭連合による『霊感商法被害』の根絶と『被害者の救済』を目的として結成した会」と謳(うた)っているように、「霊感商法が莫大(ばくだい)な被害を生んでいる」という前提に立って存在する弁護士連合会だ。それを維持するためには、莫大な被害が必要だったとも言える。

家庭連合(旧統一教会)のコンプライアンス宣言(09年)以降、とりわけ近年になって急激に「霊感商法」関係の「被害」減少に直面した全国弁連は、その傾向を認める一方で、「集金の方法が証拠品が残る霊感商法から、内部の信者への高額献金の強要に変わっていった」(全国弁連代表世話人の山口広弁護士。朝日新聞8月7日付社会面)と主張している。あくまでも教団側の改善努力ではなく、集金のための方法が変わったという解釈だ。

それを裏付けるため、朝日新聞には「年間延べ相談件数は、…2000年代は1千件前後で、壺(つぼ)などの商品の販売をめぐるものが多かった。だが、近年の相談件数は100件前後に減り、内容は献金に関するものが多くなっている」と説明しているようだ。

しかし、商品別被害集計をみると、壺などの商品の販売をめぐる「被害件数」(相談件数)の割合は2000年代でも(01年12%、02年35%を除き)19%~25%で推移している。「被害金額」では、その割合は10%以下に低下する。「献金」や「内訳不詳・その他」など他の割合が圧倒的に多いのだ。

既に発表された「被害」よりもはるかに小さかった「霊感商法被害」がほぼゼロになったため、集金の方法が「霊感商法」から「内部の信者への高額献金の強要」に変わったと主張せざるを得なくなったのだろう。

ただ、家庭連合の信者やその家族に献金問題で苦しむ人たちが存在することは否定できない。家庭連合側も「霊感商法」への対応と同じように、今からでも「過度な献金」などの残る問題にも真摯(しんし)に取り組むべきだ。9月21日から数回にわたって発表された「教会改革」の行方を注視したい。

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