【連載】TBS「報道特集」 反統一教会活動家との〝接点〟(中)

棄教の踏み絵〟に〝強制〟出演

立憲民主党は8月18日、「旧統一教会被害対策本部」の第7回会合を開いた。その時の内容を公開した党のウェブサイトによると、12年5カ月間にわたる後藤徹氏(「全国拉致監禁・強制改宗被害者の会」代表)に対する拉致監禁による強制改宗に関与した宮村峻氏を「旧統一教会からの脱会を支援してきた」と紹介し、「被害の実態と課題」を聞いている。

TBSへの抗議文を掲載する全国拉致監禁・強制改宗被害者の会のホームページ

その中で、同席した同本部特別参与、有田芳生氏(ジャーナリスト)から、宮村氏について「多くの信者の脱会に多大な力を尽くしているとともに、今メディア等で元信者が発信をしていることも、宮村さんが大きく働いている」という趣旨の紹介があったことを明らかにしている。

宮村氏についてのこの紹介は、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)に対するTBS「報道特集」の批判報道を考える上で、重要な意味を持つ。後藤氏がTBSに送った質問のうち ①出演した元信者5人の人選プロセス、特に宮村氏の関与の有無――もここにつながってくる。

教団に関する「報道特集」で、その取材プロセスと報道の中立・公平性が問われるケースは、後藤氏が抗議の対象とした番組(8月27日放送)が初めてではない。「世界日報」は2010年から14年まで、後藤氏に対する拉致監禁をはじめとした教団信者に対する強制改宗の非人道性、違法性を追及した長期連載「“拉致監禁”の連鎖」(番外を含む)を掲載した。

その中で、TBSの取材に宮村氏が関与したとする強制改宗被害者の証言が幾つか出てくる。その代表例は医師・小出浩久氏のケースだ。同氏も後藤氏と同じで、親族のほか宮村氏、キリスト教牧師の松永堡智氏によって、1992年から2年間、東京、新潟と監禁場所を転々としながら改宗を強要された被害者だ。

連載に掲載した小出氏の手記に次のような場面がある。監禁されながら「偽装脱会」(監禁からの解放目的に脱会を装う行為)の中で、弟の結婚式への参席を希望した同氏に対して、宮村氏は参席を認める条件としてTBS番組に出演し、教団との「対決姿勢をはっきりと示す」ことを挙げてきた。信者の強制改宗に長年関与してきた宮村氏らは、偽装脱会を見破る〝踏み絵〟を幾つか用意していた。その一つがメディアの取材に応じ教団を批判させることだった。

そのTBSの番組が「報道特集」と知った小出氏は当時、偽装脱会状態にあったので、テレビ局の録画撮りを拒否できる状況ではなかった。解放が遠のくからだ。そして、手記は次のように記している。

「宮村氏は私がテレビに出る際の『心得』として、統一教会に対する敵愾(てきがい)心や怒りを持つように、と指導までしてきました。私のTBS出演の裏舞台では、こうした脅迫まがいの工作による〝強制〟出演があったのです」

小出氏は自身の強制改宗の体験をまとめた著書『人さらいからの脱出』(1996年、光言社)を出版した。その中でさらに興味深いことを明らかにしている。

松永氏が車を運転し録画の打ち合わせ場所に向かう場面がある。小出氏と宮村氏、そしてTBSスタッフが同乗した。移動途中、ディレクターの氏家真理氏(当時)は「宮村さんから統一教会関係のことをいろいろと指導してもらっている」と話し掛けてきた。

元信者の背後に脱会屋

また、録画撮りの後、お茶を飲んでいた時、スタッフは「宮村さんとは、かなり長い付き合いになりますね。本当に宮村さんの統一教会への攻撃は大したものですよ。今度宮村さんの特集番組でも作りたいですね」という趣旨の話をしていたという。

本紙連載に際して当時の「宗教の自由」取材班は、TBSに取材を申し込んだが、無回答だった。また、小出氏によると、著書の内容についてはどこからも抗議はなかった。

宮村氏と「報道特集」に出演した兄嫁は後藤氏に対する拉致監禁に関わって責任を問われた旧知の仲。番組で中心的に教団の合同結婚式批判を行ったのは兄嫁だった。

また、「多くの信者の脱会に多大な力を尽くして」きたと立憲民主党のウェブサイトにあるように、宮村氏は最高裁で違法性が確定した後藤氏に対する強制改宗だけでなく、他の多くの強制改宗にも関与しており、番組に出演した他の元信者4人も知っていたとしても不思議ではない。これらの事実に、メディアにおける元信者の発信に宮村氏について「大きく働いている」とした有田氏の説明を重ねると、「報道特集」の背後に脱会屋・宮村氏の影が色濃く浮かび上がってくる。

(世界日報特別取材班)

【連載】TBS「報道特集」 反統一教会活動家との〝接点〟(上)

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