世論迎合、基準なき断絶表明 自民 党内調査は“踏み絵”

自民党は31日、党総裁である岸田文雄首相が記者会見で、旧統一教会(世界平和統一家庭連合、略称家庭連合)との関係断絶を宣言する一方、党役員会でも関連団体を含めた関係断絶を基本方針として確認。茂木敏充幹事長は、順守できない議員とは「同じ党で活動できない」とまで述べた。

同党は既に所属国会議員全員に対し「当該団体との関係について点検と見直し」の結果報告を求める8項目のアンケート用紙を配布しており、2日に回収する。会合で講演したり、資金のやりとりや選挙協力などがあった議員については、氏名の公表を検討しているという。

所属国会議員全員に人事や氏名公開等の不利益を示しながら、法律違反でもない行為や範囲も明確でない関連団体と関係まで報告させるのは現代版の踏み絵に他ならない。国会議員レベルだけでも前代未聞だが、これを徹底するなら地方議員にも調査が及ぶはずだ。もしそんなことになれば、国内外の全体主義勢力から自由民主主義の原則と秩序を守り抜いてきた自民党の歴史に大きな汚点を残さないか、深く憂慮される。

自民党は衆参両院で圧倒的な議席数を持つ政権与党であり、その判断(決定)は国政に直結するだけでなく、当該団体やその構成員に大きな社会的な不利益を与えかねない。家庭連合批判に熱を上げる一部の弁護士団体やマスコミ、それを政府や保守派攻撃の材料にしている一部野党とは責任の重さが違う。

もし関係を断つというのであれば、明確な基準を示し、党内の熟議を経て決定し、慎重に進めなければならないが、実際は、世論迎合的に、党内議論もなく、無原則に進められている。

「社会的に問題が指摘されている団体」の基準や「関連団体」の基準が曖昧だ。個人や団体の自由権は違法行為に対して制限される以外は尊重されなければならないのが、自由主義社会の原則だ。世論に迎合してその原則を侵すようなことがあれば、それこそ大変な問題だ。

(政治部長・武田滋樹)

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