自然の景物とともに詩情豊かに

企画展「能楽FOUR SEASONS―春・夏編―」

金沢では「氷室の日」に天然の氷が奉納される

金沢市の金沢能楽美術館では、企画展「能楽FOUR SEASONS-春・夏編-」が開かれている。能楽には日本の四季のうつろいが、自然の景物とともに詩情豊かに表現されている。現行の約180曲のほとんどが「春夏秋冬」に分類され、「季不定」の能はせいぜい15曲程度という。

「西行桜」「桜川」など、美しくもはかない桜は、春の演目をドラマチックに彩り、帝(みかど)への氷献上が題材の「氷室」は、蒸し暑い季節に、長寿の霊験あらたかな涼を届けてくれる。

一方、華麗な能装束や扇には、春らんまんの桜花から、薫風に揺れる藤、繁茂する鉄線(てっせん)花といった多彩な自然がちりばめられ、まるで季節をまとうかのようだ。

同展は能楽の中の春と夏を能面・能装束の名品と共に紹介し、その繊細優美な美意識に触れてもらおうという企画だ。来館者は「見ごたえがありました。能楽の歴史も分かりやすく説明されていて、とても良かったです」と感想を述べている。

また、金沢を拠点に活躍する能面師・後藤祐自による名物面の写しや、このたび修復を終えた加賀宝生の木谷家所蔵の能面5面も特別展示している。新たに寄贈された能楽資料も併わせて展示している。

同展は8月31日(水)まで、月曜日は休館。入館料は一般・大学生310円、65歳以上210円、高校生以下無料。問い合わせは、(電)076(220)2790。

(日下一彦)