神奈川 自公堅実、一本化不調響く立民 ’22参院選 注目区を行く(4)

有権者の支持を訴える候補者=6月26日、神奈川県川崎市(一部画像を処理しています)

「最も全国から注目され、激しい選挙が行われている」

自民党現職、三原じゅん子の応援に駆け付けた首相の岸田文雄は6月24日、JR川崎駅前で神奈川選挙区の現状をこう表現した。この日は党神奈川県連会長の小泉進次郎も来援。選挙カーの上に3人が並び立つと、猛暑にも関わらず駅周辺の歩道や連絡通路は観衆で埋め尽くされた。

立候補者は過去最多の22人。2019年の参院選で当選した元県知事の松沢成文(維新)が、昨年8月の横浜市長選出馬のため失職したことを受けて、今回は改選4議席を選ぶと同時に、欠員の1議席を補充する「合併選挙」となった。

5番目の当選者は3年後、再び選挙に臨むため、4位と5位とでは「天地の差がある」。特に19年参院選に当選した現職のいる自民と立憲民主党、公明党は“同士討ち”を避けるため、4位以内の当選が「至上命令」(自民選対関係者)だ。

自民は24年ぶりに2人の候補を公認した。当時“共倒れ”となった教訓を踏まえ、16年に100万票以上を得てトップ当選した三原に加え、元みんなの党代表で経済界の後押しも強い浅尾慶一郎を立てた。三原は前首相の菅義偉、浅尾は前幹事長の甘利明という自民神奈川のツートップが全面支援する体制で万全を期している。

自民は今回、公明現職の三浦信祐を推薦し、「与党で3議席獲得」にも意欲を燃やす。6月24日には、岸田が自民の2候補に先駆けて三浦の応援演説に駆け付けた。三浦は大勢の支援者や有権者に「勝たせて下さい」と声を枯らして叫び、岸田と共にグータッチであいさつして回った。前回62万票を集めた組織力をフル稼働し「4位以内」死守に動いている。

維新元職の松沢も再選に向け安定した戦いを続ける。19年には2期8年の県知事や国政経験による知名度を生かし57万票を得たが、今回は「維新の支持率が3年前より上向いていることを、選挙運動の中で実感している」(選対スタッフ)。前回の票超えを目指し、保守層や無党派層への支持拡大に取り組む。

立民は事前に出馬準備を進めていた昨年の衆院選出馬の水野素子と元県議の寺崎雄介との候補者調整が不調に終わり、新人2人を立てて「総力戦」で臨むことになった。だが「候補は一本化されると思っていたのに」(立民関係者)と、調整がうまくいかなかったことへの戸惑いは隠せない。

19年の前回選挙で当選した牧山弘恵の得票は約74万票。当時次点(5位)の共産党、浅賀由香は約42万票を得ているので、単純に計算しても立民の2議席獲得は難しく、票の分配を誤ると共倒れになりかねない。現在、連合神奈川の推薦を受けた水野が比較的勢いを見せているものの、4位以内は苦しい情勢だ。

これに力を得ているのが共産新人の浅賀だ。初出馬の16年も48万票を得て5位につけており、立民が2人の候補者を擁立した今回は議席獲得のチャンスと見ている。1日に小田急線相模大野駅前で、浅賀と共に街頭演説を行った党委員長の志位和夫は「大接戦まで押し上げつつある。このチャンスを絶対逃さず、必ず勝とう」と支援者に呼び掛けた。(敬称略)(石井孝秀、小島千奈)

❶京都 維新参入で危機感強める立共 【連載】’22参院選 注目区を行く(1)
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❷沖縄 オール沖縄に陰り、自民総力戦 【連載】’22参院選 注目区を行く(2)
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❸北海道「2議席」めぐり自民・立民激突 ’22参院選 注目区を行く(3)
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❹神奈川 自公堅実、一本化不調響く立民 ’22参院選 注目区を行く(4)
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❺東京 残る1議席めぐり激戦続く 【連載】’22参院選 注目区を行く(5)
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❻埼玉/上田、維新票の動き警戒する公・共 【連載】’22参院選 注目区を行く(6)https://www.worldtimes.co.jp/japan/20220704-163119/

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