沖縄 オール沖縄に陰り、自民総力戦 【連載】’22参院選 注目区を行く(2)

演説に拍手を送る有権者ら=25日、沖縄県沖縄市胡屋十字路

「共産党は沖縄選挙区を最重要選挙区と位置付けている。『オール沖縄』の皆さんと勝利を目指す」

公示日の22日夕、県庁前で開かれた「オール沖縄」が推す無所属、伊波洋一の「出発式」。中央政党から唯一出席した共産党書記局長の小池晃は、反基地や反自衛隊のスローガンが書かれたプラカードを掲げた支持者らにこう訴えた。全国に先駆けて梅雨明けした沖縄は炎天下で、支援者は黄色の鉢巻きを身に着け、直射日光を避けるように日陰に集まっていた。

【沖縄】定数1
伊波 洋一70 外防委員 無現①
古謝 玄太38 元総務省職員 自新 推(公)
山本 圭 42自営業 N新
河野 禎史48参政党員 諸新
金城 竜郎58幸福実現党員 諸新

沖縄では、米軍普天間飛行場(宜野湾市)の辺野古移設問題が焦点となった過去3回の参院選で移設反対を唱える革新共闘候補が自民候補に3連勝。特に2014年に「オール沖縄」が誕生した後は約10万6千票(16年)、約6万4千票(19年)の大差で勝利した。

再選を目指す伊波は、沖縄本島最北端にある国頭村辺戸岬の祖国復帰闘争碑の前で第一声を上げ、名護市辺野古で演説してから、出発式に乗り込んだ。

「相手候補は辺野古『新基地』建設を認めていて、政府の言いなりになっている」と強い口調で批判すると、会場からは拍手が沸き起こった。

かつて飛ぶ鳥を落とす勢いだった「オール沖縄」も結成メンバーの一部保守系政治家や地元の有力企業が脱退。今年行われた市長選では支援候補が全敗するなど、勢いに陰りが見える。

7月4日には「沖縄は野党共闘のモデル県」が口癖の共産委員長の志位和夫と立憲民主党幹事長の西村智奈美が沖縄入り。無党派層への拡大を狙うが、そろい踏みの予定はない。頼みの綱の玉城デニー知事も新型コロナ感染のため8日まで活動できなくなり、序盤に優勢が伝えられた伊波は伸びを欠いている。

「知名度これから、伸びしろマックス」。これまでの自民候補の中で最も若い38歳の挑戦者、古謝玄太のキャッチコピーだ。古謝は総務省や岡山県庁、長崎県庁、民間企業などに務め、行政経験は豊富だが、政治家としては初心者だ。

「希望と可能性にあふれた明るい未来を描いていきたい。これからの50年は沖縄が日本を引っ張る時代になると確信している」。白いポロシャツと自民党カラーの黄緑色の鉢巻き姿の古謝は22日朝、イオン那覇店前での出陣式でこう訴えた。

「大接戦で、あと一押しすれば勝てる」とみる自民は古謝を全面的にバックアップする。幹事長の茂木敏充は公示前後で3度沖縄入りし、「参議院選挙で勝利し、その勢いを秋の知事選の佐喜真淳の勝利につなげていく」と檄(げき)を飛ばした。

前首相の菅義偉、前環境相の小泉進次郎、元経済産業相の小渕優子など大物・有名議員も続々と来県し、7月1日には先進7カ国首脳会議(G7サミット)などを終えて帰国早々の首相、岸田文雄も駆け付ける。

古謝はこれまでの自民候補と違って辺野古移設容認を堂々と公約に明記し、あいまい戦術から舵(かじ)を切った。伊波陣営幹部は「争点が明確になって戦いやすい」と歓迎するが、古謝陣営関係者は「ここで勝てれば移設が一気に進み、知事を土俵際まで追い詰めることができる」と意気込む。

(敬称略)

(豊田 剛)

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