3年ぶり首相出席し追悼  沖縄戦終結77年「慰霊の日」

「平和の礎」に刻まれた名前の前で祈る遺族ら =23日午前、沖縄県糸満市の平和祈念公園

多くの住民を巻き込んだ沖縄戦の終結から77年。沖縄県は23日、「慰霊の日」を迎え、最後の激戦地となった糸満市摩文仁の平和祈念公園で「沖縄全戦没者追悼式」を行った。参列者は正午の時報に合わせて黙祷(もくとう)し、戦没者の冥福(めいふく)を祈った。刻銘者は新たに55人が追加され、計24万1686人となった。

式典には玉城デニー知事や岸田文雄首相、遺族会の代表ら約330人が参列。新型コロナウイルスの感染対策が緩和されたことを受け、首相や衆参両院議長、関係閣僚は3年ぶりに招待された。

玉城知事は「平和宣言」で、「全ての県民が真に幸福を実感できる、平和で豊かな沖縄の実現を目指し、全身全霊で取り組む」と述べた。また、ロシアによるウクライナ侵攻に触れ、「 無辜(むこ)の市民の命が奪われ続けている。恐怖と隣り合わせで生きることを余儀なくされている状況は、77年前の沖縄における住民を巻き込んだ地上戦の記憶を呼び起こすもの」と指摘した。米軍基地問題にも言及し、基地のさらなる整理・縮小や日米地位協定の抜本的な見直しなどを強く求めた。

首相は来賓あいさつで、「今日(こんにち)私たちが享受している平和と繁栄は、命を落とされた方々の尊い犠牲と、沖縄の歩んだ苦難の歴史の上にある」と表明。本土復帰50年を迎え、アジアの玄関口に位置する地理的特性や美しい自然、国際色豊かな文化や伝統など、「その潜在力を最大限に引き出し、21世紀の『万国津梁』となるよう、沖縄復興に取り組む」と語った。また、「米軍基地集中による大きな負担」を重く受け止め、「基地負担軽減の目に見える成果を一つ一つ着実に積み上げる」と述べた。