戦後の暴力闘争 朝鮮戦争時に国内かく乱

【連載】日本共産党100年 第1部 問われる「革命」路線(3)

日本共産党の武力革命のニュースは当時大手新聞にしばしば掲載された

共産党執行部は「わが党が党として正規の機関で『暴力革命の方針』を決めたことは一度もない」と否定している。しかし、日本共産党が「暴力革命必然論」に立った「51年綱領」と、同綱領を実践するために「われわれは、武装の準備と行動を開始しなければならない」という軍事方針を決定したのは1951年だった。それも第5回全国協議会(五全協)という正式な党の会議で決められたものだ。この現執行部のウソに共産党創立以来の最大の欺瞞(ぎまん)があるのである。

しかも、方針を決めただけでなくそれを実行したのが歴史の真相だ。当時の共産党は、中央軍事委員会の下に中核自衛隊や山村工作隊などを組織し、在日朝鮮人の組織「祖国防衛委員会」(祖防委)傘下の祖国防衛隊と連携。51年から53年までの間に全国で265件の騒擾(そうじょう)事件を起こし、96カ所の交番を襲撃。米軍キャンプや米軍に供給される砲弾を製造していた民間工場、米軍の兵站(へいたん)基地からの輸送拠点などに火炎瓶を投げ込み時限爆弾を仕掛けたりし、死者も出した。当時の日本の大手新聞は「メーデーの流れ暴動化す 日共の計画的騒擾」(毎日新聞52年5月2日)「交番襲撃事件 中核自衛隊が中心」(朝日新聞同年5月31日)などと暴力行為を大きく報道し続けた。

この背景にあったのが、朝鮮半島を共産化するためソ連のスターリンや中国の毛沢東が日本共産党に対して行った国内での後方かく乱指令である。当時の国際主義運動の司令塔は、コミンテルン(43年に解散)からコミンフォルム(共産党・労働者党情報局)に変わっていたが名前を変えただけでスターリンの指導下にあった点では同じだ。

そのコミンフォルムが50年1月、機関紙を通じて暴力革命を行えとの指令を平和革命路線で盛り上がっていた党中央にしてきた。当時、主流派だった徳田球一(党首)、野坂参三氏らはこれを批判したが、主流派を「右翼日和見主義」と批判し、中ソの指示に従うよう迫ったのが序列4位の宮本顕治氏だった。

スターリンは、結局、徳田・野坂両氏に自己批判させ、主流派を中心に党をまとめて暴力闘争を断行せよとの裁定を行い、宮本氏も自己批判書を書いて戦列に復帰したのである。そして、スターリンの指令内容は朝鮮戦争における中国、北朝鮮軍を主体とする共産軍を勝利させるために日本国内の米軍基地や警察署などを狙った後方かく乱で、共産党はそれを実行、事実上、参戦したのである。

最大の問題は、当時、主流派だった徳田、野坂氏らを分派とし、「彼らが勝手にやったこと」なので、党や自分たちには何の責任もないと言い逃れしている現執行部の姿勢だ。暴力路線を持ち込む原因を作った宮本氏が40年間党を指導し、“分派”側という野坂氏も92年に名誉議長を解任されるまで党最高幹部だったのは不可解だ。

政府は現在も、平和的方針をとるか、非平和的方針をとるか、相手の出方によって非平和的な暴力を使用する「敵の出方論」という方針を持つ共産党を破壊活動防止法の監視団体に指定している。志位氏は2004年の綱領改定後は、「敵の出方論」という言葉を使わないとしているのにそれでも批判するのを「反共攻撃」だと声高に叫んでいる。だが、その言葉を使わないからその方針を捨てたことにならない。党が一致して軍事綱領を認め実行した事実を謙虚に反省し被害者たちに謝罪し、二度と行わない誓約を綱領に書き込むことがなければ今のソフト・スマイル革命戦術は信用されまい。(日本共産党100年取材班)

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