約30年前の中国のウイグル族を捉えた写真展が東京・代々木上原の東京ジャーミイで開催されている。撮影したのは通信社などの報道カメラマンを経て、写真家としてウイグル問題に取り組んできたヤギケンジ氏。1990年前後に4回にわたり新疆ウイグル自治区を訪れた際の写真を整理し、「声なき者の声を届ける」ため展示に踏み切ったという。
ヤギ氏は「ウイグル人の自然な暮らしを捉えた写真を通じ、ウイグル民族理解への一助となる」ことを願うとした上で、強制収容などウイグル人権問題が「過去の出来事ではなく、この時代に起きている」ことを知ってほしいと訴えている。
作品はすべてモノクロで、子供たちなどウイグル族の素朴な生活の様子を伝える。ヤギ氏は、フランスで写真を学んだ。展示されているものは、フランスを代表する「プリンター」で、ヤギ氏の恩師でもあるフィリップ・サルーン氏のアトリエで96年にプリントしたものから厳選した。展示は22日まで。