「勧誘時に心理的圧力」79%、該当紙は「しんぶん赤旗」と「社会新報」

金沢市、幹部職員に政党機関紙調査

金沢市は2月19日から28日まで、課長補佐級以上の一般職667人に対して、市議から庁舎内で政党機関紙の購読勧誘を受けたことがあるか、などを尋ねる無記名調査を行い、このほど結果を公表した。山野之義市長が調査に踏み切ったのは、平成28年3月以降、全市議に「政党機関紙の購読勧誘に当たって公務の中立性・公平性を保つための配慮を求める文書」(以下、文書)を通達したものの、一向に改善の兆しが見られなかったため。金沢市の場合、該当する機関紙は共産党「しんぶん赤旗」と社民党の「社会新報」である。(「赤旗問題」取材班)

市長、市議らに改善要請へ

政党機関紙の購読・斡旋(あっせん)行為は庁舎等管理規則で禁じる「物品の販売」に当たる。だが、長く庁舎内での機関紙勧誘・配達が慣例として看過されてきたが近年、各市で是正措置を求める動きが出てきている。

金沢市役所

職員への政党機関紙調査が行われた金沢市役所

金沢市が実施した質問は、①これまで市議から庁舎内で政党機関紙の購読勧誘を受けたことがあるか②購読勧誘を受けた際に心理的圧力を感じたか③購読勧誘を受けたのは(山野市長が議長に「文書」を提出した後の)2016年3月以降のことか――の3点。

購読の有無まで質問項目に加えなかったのは、かつて同様の調査をした川崎市に対して、共産党が訴訟を起こした点を考慮したためとみられる。

667人のうち537人が回答。「市議に庁舎内で政党機関紙の購読勧誘を受けたか」との問いに「ある」と答えたのは217人(40・4%)。「ない」は314人(58・5%)。「ある」と回答したうち、「勧誘の際に心理的圧力を感じた」と答えたのは171人(78・8%)に上った。

山野之義市長
山野之義市長

この問題は、平成27年6月議会で、坂本泰広氏(自民)が「全国各地の市役所庁舎内で、政党機関紙の購読の勧誘・集金・配布が議員、元議員によって行われている実態があるということをご存じか」と質問したことに端を発する。山野市長は「本市の正確な状況は把握していない」と答弁。9月議会でも「調査までは実施しない」としながらも、翌年2月から毎年、市長名で議長を通じて全市議に「文書」を通達。今回、調査に踏み切ったのは、3年たっても是正が見られないと判断したためだ。

また、坂本市議が昨年12月議会で独自調査の結果を報告したことも、山野市長の決断を後押ししたと言えよう。

同氏は、係長職764人から無作為に選んだ100人に電話調査。その結果、課長級以上の職員の87%以上の購読が判明。購読者の約85%が議員からの勧誘によるもの、うち45%の人が圧力を感じ、しかもその全員が「断りにくい」と感じていたと伝えた。

坂本泰広市議
坂本泰広市議

合わせて、市議に届いたある職員の手紙を読み上げた。「大学に通う子供を抱えているのに、無駄な支出が増え、いい迷惑だ。彼らが反対している家庭ごみ有料化よりもはるかにお金がかかります。家庭ごみ有料化でごみは減るが、政党機関紙はごみを増やすだけです」。さらに、議員の個人名、そして複数の政党機関紙名を挙げた上ではっきりと「パワハラを受けている」という悲痛な訴えを紹介した上で、坂本市議は「3254人の本市職員を守れるのは、山野市長、あなただけ」と迫ったのである。

これに対して山野市長は「(心理的圧迫を受けた職員に対して)私の立場からすると申し訳ないと、心からお詫(わ)びを申し上げたい」「(これが事実ならば)市長や職員に対する冒涜(ぼうとく)であり、議長や会派の会長に対する蔑み」と強い嫌悪感を隠さなかった。調査実施までにはこうしたやりとりがあったのである。

「私がなにもしなければ、不作為のパワハラ」とまで述べた市長は今月下旬、購読勧誘に関する配慮を求める文書を出す。毎年、共産党は3月末の役所の人事発表時に合わせて新聞の新規購読や継続に向けて組織的な積極「工作」を行う。事態の改善はなるのか注目される。

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