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退位礼正殿の儀 厳粛に平成 締めくくり


穏やかな表情、新時代へ祈り

 憲政史上初めて行われた「退位礼正殿の儀」。在位中最後の儀式に、天皇陛下は普段通りの穏やかな表情で臨まれた。傍らに立つ皇后陛下や、皇太子殿下御夫妻ら皇族方、そして国民の代表が見守る中、平成を締めくくる儀式が厳粛に執り行われた。

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天皇陛下は「退位礼正殿の儀」でお言葉を述べられた=30日午後5時8分、皇居・宮殿「松の間」(代表撮影)

 儀式の舞台となったのは、皇居・宮殿の中で最も格式が高い「松の間」。陛下の「即位礼正殿の儀」など数々の重要な行事が行われてきた部屋で、宮中で唯一、床がケヤキの板張りになっている。

 モーニング姿の天皇陛下は午後5時、白いロングドレス姿の皇后陛下と共に入室。宮内庁の山本信一郎長官と秋元義孝式部官長が先導し、剣璽と御璽、国璽をささげ持つ侍従らが後に続いた。

 侍従らの靴音がカツンカツンと高く響き、やがて剣璽などの安置が終わって静まると、室内はひときわ厳粛な雰囲気に。安倍晋三首相が進み出て、国民代表の辞を読み上げた。

 続いて、天皇陛下は河相周夫侍従長から受け取った原稿を開き、ゆっくりとした口調で最後のお言葉を述べられた。間際まで推敲(すいこう)を重ねたというお言葉は、国民への謝意と共に、令和の時代が平和で実り多くあるよう願う内容。「皇后と共に」との表現に、陛下の思いがにじんだ。お言葉が終わると、侍従らが剣璽などを再びささげ持ち一礼。陛下は壇上から降りた際、いつものように皇后陛下の手を取り、足元を気遣われた。

 陛下は最後に扉の前で振り返り、深々と頭を下げて見送っていた皇后陛下を見詰めた後、ゆっくりと会場に一礼。剣璽などと共に松の間を後にされた。平成最後の日の午後5時14分。皇族方の退出と共に扉が閉まり、退位礼正殿の儀は終わった。