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典子さま御婚約、御慶事に出雲との縁思う


 高円宮妃久子殿下の次女、典子女王殿下と出雲大社神職、千家国麿さんの御婚約が内定した。皇室そして日本国民にとって慶事であり、心よりお祝い申し上げたい。

女王の御結婚は戦後初

 典子女王殿下は、天皇陛下の叔父、三笠宮殿下の孫で大正天皇のひ孫に当たられる。女性皇族で天皇のひ孫以降が女王とされるが、女王の御結婚は戦後初めてである。今年7月に「納采の儀」を行い、10月頃に出雲大社で結婚式が行われる。

 典子さまは1988年、高円宮殿下御夫妻の次女として誕生し、学習院大学で心理学を学ばれた。卒業後は、成年皇族として公務に当たってこられた。父の高円宮さまは、典子さまが14歳の2002年に急逝されたが、姉の承子女王殿下、妹の絢子女王殿下とともに皇族として精力的に活動される母の久子さまを支えてこられた。

 千家さんは出雲大社の宮司の千家尊祐さんの長男で、国学院大学で神道を学び、卒業後は京都の石清水八幡宮などで修養。現在は出雲大社の禰宜、祭務部長を務める。

 高円宮御夫妻と千家さんの両親は以前から懇意で、家族ぐるみのお付き合いをされていたという。宮内庁の発表や御婚約内定後の会見によると、御結婚の話はこうしたお付き合いの中から「自然に」出てきたとのこと。出雲大社に祭られる大国主神は縁結びの神様として知られるが、千家さんが「大国主の大神様のお導きの下、このような素晴らしい方とご縁をいただき」と語っている。

 典子さまが千家さんと初めて会われたのが、07年4月。お二人の交際が始まってから御婚約内定まで7年が経過したのは、典子さまが当時まだ大学生で、卒業後も成年皇族として公務を優先したいという御希望があったためだ。

 千家さんはその間、神職としての修養を積み、出雲大社の60年に一度の遷宮では重要な役割を果たした。

 典子さまが、伊勢神宮と並ぶ日本神道の中心、神々の故郷とも言われる出雲に嫁ぎ、代々出雲大社の祭祀(さいし)を司る千家家の一員となられるということには、深い縁を感じないわけにはいかない。

 出雲大社の大国主神は日本神話の中で、皇祖神・天照大御神の子孫に国譲りをした国つ神の代表である。皇室が伊勢神宮とともに代々出雲大社を尊崇し、出雲国造に手厚い祭祀を任せたことにはそのような歴史的背景がある。

 久子さまも「出雲は歴史と伝統のある地ですので、よく勉強をして、早く新しい生活に馴染(なじ)んでくれればと願っております」と御感想を述べられている。

皇室と国民との橋渡しを

 古事記には大国主神の妻問いの話も載っている。お二人の御結婚が、神話時代にわれわれの祖先が歌った結婚や家庭を始めることの喜び、さらにその国の成り立ちまでも思い起こすような素晴らしい機会となることを祈りたい。

 また典子さまは、御結婚と同時に皇籍を離れられるが、国民と皇室との橋渡し役として活躍されることを期待したい。

(5月28日付社説)