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上皇后陛下ゆかりの木が笛に


出身幼稚園の記念樹再生 東京

上皇后陛下はコカリナを身に着けて第60回全国植樹祭に出席された=2009年6月、福井市

 上皇后陛下(86)が幼少時に通われた大和郷幼稚園(東京都文京区)で今月、園舎の改築に伴い、上皇后陛下ゆかりの樹齢48年のクスノキが伐採された。クスノキは木の笛「コカリナ」に生まれ変わって園児の手に渡り、上皇后陛下にも贈られる計画という。

 上皇后陛下は1939年に入園され、約1年間通園。転居に伴い園を離れたが、皇太子妃、皇后時代にも何度か足を運ばれた。

 今回伐採されたのは、園にある3本の記念樹のうち、73年の訪問を記念して植えられたクスノキ。高さ約15メートルに育ち、改築工事に伴い伐採するほかなく、永田陽子園長(69)が「悲しいで終わらせたくなかった。何か残せないか」と思案。広島の被爆樹や東日本大震災などの災害で倒れた木からコカリナが作られていることを知り、コカリナ奏者の第一人者黒坂黒太郎さん(72)に製作を依頼し快諾を得た。

1973年に当時皇太子妃だった上皇后陛下の御来園を記念して植えられたクスノキと、伐採を前にお別れをする園児たち=2日、東京都文京区の大和郷幼稚園(同園提供)

 「不思議な縁」「美智子さまがつないでくれたのか」。互いに上皇后陛下とつながりがあることを知らなかった永田園長と黒坂さんは、こう笑顔で口をそろえる。上皇后陛下は長年親交がある黒坂さんのコンサートをたびたび御鑑賞。2016年には客席でコカリナを吹いたこともあった。

 毎年剪定(せんてい)された枝で、パチンコを作って遊ぶなど、園児にとって馴染み深いクスノキは、今月14日に伐採された。これに先立つ4日には、黒坂さんが園でお別れのコンサートを開催。この日の音源と、冬にも完成するコカリナは上皇后陛下に贈るという。

 「何度でも通ってコカリナを子供に教えたい」と黒坂さん。永田園長は「新しい園舎のお披露目には、美智子さまをご招待して皆でコカリナを演奏したい」と期待を寄せた。