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国民の努力に感謝、天皇陛下誕生日会見


オンライン活用に手応え

 「皆さんお一人お一人が、人知れず続けている努力を多といたします」。新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、61歳の誕生日を前に、お住まいの赤坂御所で行われた天皇陛下の記者会見。陛下は約40分に及んだ会見時間のほとんどをコロナ関連の話題に費やし、医療従事者をはじめとする国民一人ひとりの努力に感謝の意を示された。

天皇、皇后両陛下は「地球環境行動会議(GEA)国際会議2020」の資料を手に取り談笑された=2日午後、赤坂御所の談話室(宮内庁提供)

天皇、皇后両陛下は「地球環境行動会議(GEA)国際会議2020」の資料を手に取り談笑された=2日午後、赤坂御所の談話室(宮内庁提供)

 即位後初となった昨年の会見には国内外から46人が出席したが、今年は感染防止のため1社1人の計15人に限定された。出席者は手指を消毒しマスクを着用した上で、間隔を空けて着席。陛下の前には大きなアクリル板が設置されるなど、異例の対応が取られた。

 宮内庁によると、昨年の誕生日以降の陛下の地方訪問は静養も含めて0件(前年は12件)。東京都内への外出も、皇居以外は全国戦没者追悼式への出席など7件にとどまった。

 こうした中、天皇、皇后両陛下は昨年秋からオンラインを活用されて病院や高齢者施設、障害者雇用企業を視察。今年1月には豪雨被害を受けた熊本県の4市町村をオンラインで結び、被災者を見舞われた。今後も東日本大震災から10年に合わせ、岩手、宮城、福島の3県をオンラインで視察される方向で調整が進められている。

 陛下はこうした活動について「その土地の雰囲気を肌で感じるなど、実際の訪問でなければ成し得ない部分はある」とされつつ、同時に複数の場所にいる人々に会ったり、通常は訪問が難しい場所と交流できたりする利点があると指摘。「オンラインによる活動に新たな可能性を見いだせたことは、大きな発見」と手応えを感じられた様子だった。