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「象徴の道 始まったばかり」 陛下、笑顔で「まだ還暦」


 「象徴としての私の道は始まってまだ間もない」。赤坂御所で21日に行われた天皇陛下の60歳の誕生日記者会見。水色のネクタイにスーツ姿で臨んだ陛下は、時折手元の原稿に目を落としながら、「憲法を順守し、象徴としての務めを誠実に果たしてまいりたい」と真剣な表情で現在の思いを語られた。

誕生日会見で思い

 即位後初の会見で、海外の報道機関も含め例年の倍近い約50人の記者が参加。会場もこれまでの「檜(ひのき)の間」ではなく、より格式の高い「日月(じつげつ)の間」が選ばれた。

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台風19号による被災者と懇談される天皇、皇后両陛下=2019年12月26日、福島県本宮市

 60年間で特に印象に残った出来事を問われると、1964年の東京五輪や英国留学、結婚や長女愛子殿下の誕生といった思い出を列挙。上皇陛下御夫妻と前回東京五輪を直接目にしたことが、「世界の平和を切に願う気持ちの元となっている」と明かした。阪神大震災や東日本大震災などの災害も「忘れることのできない記憶」とした。

 近代以降で最高齢の即位だったことに触れた質問には、「もう還暦ではなく、まだ還暦という思いでおります」と笑顔で回答。近年増加している子供の虐待や貧困の問題には心が痛むとして、「次世代を担う子供たちが健やかに育っていくことを願ってやみません」と語った。

 新型コロナウイルス感染の拡大にも言及し、患者や家族にお見舞いを述べた上で、「感染の拡大ができるだけ早期に収まることを願っております」と語った。名誉総裁を務める今年の東京五輪・パラリンピックについては、「大会を通して、特に若い人たちに、世界の人々への理解を深め、平和の尊さを感じてほしい」と願いを込めた。