米国は依然として自由と民主主義のとりでだ。しかし、米国の指導者は数十年にわたり、米国の存立に対する最大の脅威である中国共産党(CCP)と、その支配下にある中華人民共和国(PRC)を正しく理解し、対抗することに失敗してきた。

◇融和政策に回帰
CCPからの台湾への脅威が高まってきたのは、長年の米国のエリート層による失政が原因だ。自由で民主的かつ主権を持つ台湾は、すべての中国人にとって模範であり希望でもある。そして台湾を守ることは、中国共産主義の世界的な拡大を食い止め、巻き返すために不可欠だ。
米国の対CCP政策は失敗の連続だった。米国はCCPが1949年に権力を掌握して以来、この欠陥を抱え、腐敗した体制を何度も救ってきた。歴史家がこの体制は6500万人の死を招いたと指摘しているにもかかわらずだ。
70年代にヘンリー・キッシンジャー氏が対ソ戦略として「中国カード」を切ったこと、89年6月に「人民解放軍(PLA)」の戦車によって鎮圧された民主化運動を、ジョージ・H・W・ブッシュ政権が支援しなかったこと、さらには米国の強力だった製造業基盤を空洞化させた近視眼的な貿易・ビジネス取引などを経て、CCPは米国エリート層の後押しを受けながら、着実に勢力を拡大してきた。
第1次トランプ政権は、中国に対する数十年にわたる融和政策に一定の歯止めをかけたが、それを終わらせることはできなかった。
明らかに融和政策へと回帰している。台湾に必要不可欠な140億ドル相当の武器供与が遅れていることや、中国の実態と世界的覇権への野心について、米政権中枢が再び真実を語ることをためらっていることがその兆候だ。
昨年、ヘグセス国防長官と軍仕様のボーイング747機内で会談した際、私は「米国が阻止しなければ、中国は世界を支配する。そして中国が世界を支配すれば、私たちの子や孫に自由はなくなる」という単純なメッセージを伝えた。
台湾の征服は、中国共産党による世界支配構想の重要な第一歩だ。武力によるにせよ、浸透工作によるにせよ、中国国民にとって国の在り方の代替モデルを消し去り、第1列島線の中心を掌握し、台湾が誇る極めて戦略的に重要な半導体産業を無傷で手に入れることが狙いだ。
毛沢東が政権を掌握した後に起きた大量虐殺と同様、台湾の支配は数十万人規模の新たな大量死をもたらす可能性がある。その理由は、共産主義思想が人間を魂のない存在として捉えているからだ。歴史的唯物論に反する存在と見なされた人々は、決して実現しない共産主義ユートピアと「新しい共産主義的人間」を築くために排除され得る。
◇実現不可能な「夢」
では、何をすべきか。
第一に必要なのは、米国が主導してきた国際秩序と自由貿易体制が、人類史上かつてない繁栄と進歩をもたらしたという事実を国民に再認識させることだ。
次に、台湾は軍事力を一層強化しなければならない。2万機の武装ドローン配備計画に代表されるような革新的で優れた兵器技術を活用すれば、台湾は強大なPLAに対しても十分に勝利できる。
台湾のソフトパワーもまた、中国本土や世界各地の華人に対し、自由で開かれた民主主義社会の実例を明確に示すことができる。台湾が主権を維持し続けることで、中国の14億人は、人類の真の未来が、習近平国家主席の実現不可能な共産主義の「夢」ではないことを理解するだろう。
さらに台湾政府は、台湾人、中国人、世界各地の華人共同体と協力し、自由という価値観を推進する民主的な環太平洋共同体の創設を主導できる。南北米を含む環太平洋諸国を結集することで、この共同体は、中国の共産主義体制を平和的に民主的体制へ移行させる強力な推進力となり得る。
米国は、「台湾を決して見捨てない」という確固たる約束を示すことで、この民主的な環太平洋共同体を支えることができる。
中国共産党の膨張主義に対抗するため、米国には新たな戦略が必要だ。その中心に台湾を据えなければならない。まず台湾の防衛力を強化し、その上で民主主義国家による強固な環太平洋連携を構築する。そして最終的には、中国国民にとって、さらには人類全体にとって、より良い未来のモデルを示すことが求められている。
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