
「第95回台湾セミナー」(主催・日本李登輝友の会)が31日、都内で開かれ、平成国際大学副学長の浅野和生氏が民主化を平和的に成し遂げた台湾の李登輝元総統の政治戦略に焦点を当てて講演。「李登輝氏の静かなる革命は、思想による政治改革の見本だった」と評価した。
浅野氏は、李登輝氏が総統に就任した1988年から20年以上にわたり、台湾における議会改革・総統直接選挙・政権交代の実現までを、段階的かつ非暴力的に進めたと解説。「敵対を煽(あお)らず、国民に自信を持たせ、選挙を通じて台湾人自身が政治の担い手になっていったことこそが、最大の成果だ」と語った。
また、李氏の歴史認識やアイデンティティーの共有が、“民主国家”としての台湾の骨格を形づくったと指摘。「革命とは本来、暴力を伴わずに社会の仕組みを変えること」であり、「李登輝氏はまさに思想と選挙でそれをやってのけた」と強調し、「日本も台湾の民主化の過程から学べる点は多い」と結んだ。