台湾の蔡英文前総統は23日、カナダ東部ハリファクスで開かれた国際安全保障フォーラムで演説し、影響力拡大を目論(もくろ)む中国やロシアなどを念頭に「民主主義国家は、専制主義国以上に強く団結すべきだ」と訴えた。
蔡氏は「専制主義国家の拡大を抑止してこそ、民主主義と世界秩序を守ることができる」と主張、「(ロシアの侵攻を受けた)ウクライナの勝利」の重要性を強調した。
民主主義国家の自由な言論空間を通じて、専制主義国家が影響工作を行っていることにも警戒を呼び掛けた。蔡氏は、人工知能(AI)の発展により、国や地域を問わず影響工作が可能となったと指摘。その結果「人々と政府、国家間の信頼を損なわせ、誤解を生じさせる危険性が高くなり」、民主主義の基礎が脅かされることになると警鐘を鳴らした。
米国製武器購入を含む台湾の軍事費については「安全保障上の必要に応じ、確実に投資を増額し続ける」と説明。台湾の防衛費増額を主張するトランプ次期米大統領への配慮を示した。(外報部)