【台北・台湾総統選取材班】4年に1度の台湾総統選挙は13日、投開票が行われ、同日夜大勢が判明する。親米派の与党・民進党の頼清徳副総統(64)が優勢に戦いを進めている。中国寄りの最大野党・国民党の侯友宜・新北市長(66)が追い上げ、第3党・民衆党の柯文哲・前台北市長(64)が2大政党に批判的な若い世代から支持を集める。中国との関係に加え、雇用や少子化対策など、生活に身近な政策も争点になっている。
台湾のトップを直接選挙で決める総統選が1996年に初めて行われてから今回が8回目。これまで国民党と民進党が2期8年ごとに政権交代することが多かったが、今回、蔡英文総統の路線継承を掲げる民進党の頼氏が当選した場合、初めて同じ政党が3期目の政権を握ることになる。
同日行われる立法院委員(国会議員に相当、定数113)選挙では、与野党ともに単独で過半数を確保することが難しい見通しとなっている。過半数確保ができない場合、予算案など法案が通らない難しい政権運営となる。現在5議席を有する民衆党の躍進が予想され、キャスチングボートを握ることになる。
3人の総統候補は11日、人口の多い台湾北部を中心に選挙カーで遊説し、大規模集会を行うなど最後の追い込みを図った。最終日の12日は、民進、国民両党は台北郊外の新北市で、民衆党は総統府前で最後の訴えを行う。