【台北・台湾総統選取材班】台湾総統選を4日後に控え、台湾与党の民進党は9日、台北市で海外メディア向けに記者会見を行った。党首の頼清徳・総統候補(64)は中国が後押しする最大野党・国民党が政権を取っても中国のインド太平洋地域における強圧的な覇権主義路線に変わりはなく、肯定することになってしまうと話した。自身が当選し、民進党が政権を維持してこそ「インド太平洋地域と台湾海峡の安定につながる」と強調した。
中国の選挙への介入について頼氏は、毎回あるが「今回は特にひどい」とし、武力による威嚇や経済活動、フェイクニュースなどさまざまな方面で行われていると指摘。中国が「戦争と平和」という表現を使って選挙に影響を与え、親中政権の樹立を後押ししていることを問題視した。
台湾内には、中国と交流を積極的に行うべきだとの声もある。それに対して、「平等であるならばいつでも対話の門は開いている」と強調。一方で、人権弾圧が続く中国のチベット・新疆ウイグル両自治区、香港を例に挙げ、「侵略者の善意は信頼できない」と述べ、中国に融和的な国民党が政権を握ることに対して間接的に憂慮を示した。
今年世界中で立て続けに行われる選挙の中で台湾総統選は、最初の注目選挙。民主主義国家として台湾がどのような選択をするのか、世界から注目されている。