【高雄・台湾総統選取材班】台湾総統選・立法委員(国会議員)選が13日に迫る中、投票日前最後の週末となった6、7日、与野党の総統候補者らが第2の都市・高雄などで大規模集会を開き、声をからした。
与党・民進党の総統候補、頼清徳(らいせいとく)・副総統(64)は6日夜、台北郊外の新北市で演説。政権運営を車に例え、ハンドルは総統・副総統、エンジンは立法委員だとし、「車を動かすために立法委員の過半数がどうしても必要だ」と訴えた。
蔡英文総統や蘇貞昌行政院長(首相に相当)も登壇し、8年間の民進党政権の実績をアピール。3万人以上が集まった会場では、有権者らが「正しい人を選んでこそ、正しい道に行ける」との掛け声を大声で連呼した。
最大野党・国民党の総統候補、侯友宜(こうゆうぎ)・新北市長(66)は7日夕、高雄市で大規模集会を開き、3万人以上が参加した。候氏は民進党政権批判に徹し、「政権交代を実現しよう」と声を張り上げると、支持者は台湾の旗を振って応えた。
苦戦を強いられている第3党・民衆党の総統候補、柯文哲(かぶんてつ)・前台北市長(64)は独自の選挙戦を展開。週末も選挙カーで台湾各地を回る演説ツアーを精力的に行い、街頭に集った若者らを前に与野党批判を繰り返した。
安倍晋三元首相の銃撃事件など昨今の政治家襲撃事件を受け、集会会場では金属探知機による入場者チェックが行われるなど、3党とも厳重な警備体制を敷いていた。