日台韓で世界平和モデルを 元台湾副総統・呂秀蓮氏インタビュー(上)

インタビューfocus

相互尊重の「中華連邦」設立を

――台湾は常に中国大陸の脅威にさらされている。

安倍晋三元首相は生前、「台湾有事は日本有事」と話したが、台湾有事の前に日本と韓国の有事が先に起こり得る状況にある。あちこちで争いがあった方が米軍の力を分散できるようになるからだ。

2022年7月11日、台北の日本台湾交流協会台北事務所を弔問に訪れ、安倍晋三元首相の遺影を見詰める蔡英文総統(総統府提供・時事)

北朝鮮が弾道ミサイルを発射し、ロシアが日韓に脅威をもたらす状況になれば、米軍は台湾海峡に集中できなくなる。

国際会議などで私は「台湾は決して次のウクライナにはしない」とスピーチしている。

――台湾と中国の望ましい関係は。

一番良い関係は、台湾と中国は「遠い親戚として、良い近所関係」を築くことだ。

台湾の祖先は数百年前に大陸からやってきた。私の主張は、中華人民共和国は「一つの中国」の主張を「一つの中華」に変更するというものだ。「一つの中国」は台湾が中華人民共和国となるということで、受け入れられない。「一つの中華」であれば、人々のルーツと文化の観点から受け入れられる。

習近平国家主席は「中国と台湾を統一する」と言っている。統一は、大きいものが小さいものを吸収するという意味だ。そうなると台湾は地方政府になってしまう。中国政府は主張を統一(unification)から、統合(integration)に変更するべきた。統合であればEUと同じような形となる。台湾と中国だけでなく、新疆ウイグル、南モンゴル、チベットも含めて互いを尊重した「中華連邦」をつくることが望ましいのではないか。

「中国は歴史を直視せよ」 元台湾副総統・呂秀蓮氏インタビュー(下)

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