関係強化で合意
【サンパウロ綾村悟】4月30日の大統領選挙で当選した南米パラグアイのペニャ次期大統領(中道右派・与党コロラド党)は5日、ツイッターを通じて台湾の蔡英文総統から当選を祝福する電話があり、台湾と関係強化を進めることなどで合意したことを明らかにした。
電話会談は20分近く行われ、蔡総統は、当選を祝福した上でペニャ氏が台湾との関係維持を強く表明していたことへの謝意を述べた。ペニャ氏は、早期に台湾を訪問したいとの意向を示したという。
パラグアイは南米で唯一、台湾との外交関係を維持しているが、近年は中国から外交攻勢を受けている。先の大統領選挙では、中国との外交関係樹立を主張する野党候補が躍進し、ペニャ氏と接戦を繰り広げた。
台湾と外交関係を結ぶ国は、2016年には22カ国だったが、「一つの中国」を核心的利益とする中国がインフラ投資や新型コロナワクチン供与などを武器に台湾との断交を迫り、13カ国にまで減少した。中国と台湾の経済規模の違いなどもあり、中国との外交関係樹立に向かう国は今後も増えるとみられている。