中華民国(台湾)の建国記念日にあたる「双十国慶節」の10日、台北市の総督府前で祝賀式典が行われた。蔡英文総統は台湾への軍事威嚇を強める中国に対し「武力衝突は決して両岸(台中)の選択肢ではない」と主張。理性と平等、相互尊重の下で台湾海峡の平和と安定を維持するために両岸指導者が対話を行うことは「共通の責任だ」と訴えた。
今年の式典は「国土を守る、あなたと私は共にいる」をテーマに行われた。蔡氏は台湾の主権と国民の自由で民主的な生活を守ることについて、「妥協の余地はない」と強調。その上で、「台湾は既に自由民主主義陣営の重要な象徴だ」とし、「台湾が叩き潰されることは世界の民主主義陣営にとって大きな失敗である」と述べた。
中国外務省の毛寧副報道局長は同日の会見で、蔡氏の演説を受け、ペロシ米下院議長らの訪台を念頭に「『台湾独立』分裂の立場をかたくなに堅持し、外部勢力と結託し、絶えず挑発を行い、両岸関係の平和発展に向けた重要な基盤を著しく破壊した」と台湾民進党政権を批判した。
式典のパレードには、異例の招待を受けた日本のマーチングバンドの名門校、京都橘高校(京都市伏見区)吹奏楽部が参加。蔡氏は立ち上がって学生に手を振り拍手を送った。古屋圭司元国家公安委員長率いる超党派議員連盟「日華議員懇談会」のメンバー19人も参加し、日台友好を印象付けた。