投票転じて福島産食品解禁ー台湾から

地球だより
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昨年12月、原発建設再開など4テーマで公民投票が行われたが、日本の関心は「米国産ラクトパミン使用豚肉の禁輸に同意するか」という議案だった。

ラクトパミンは、牛や豚などの成長促進を目的に使われるもので、赤身を増やす効果がある。ただ、摂取されたラクトパミンは体外に排出されて屠殺(とさつ)時には残らず、人間への健康被害はないとされている。

一昨年夏、蔡英文政権はラクトパミン使用豚肉を輸入解禁したが、もともと豚肉が国民的食材でもある台湾では、安くて美味(おい)しい豚肉の生産が盛んで、わざわざ米国産を買う必要もない。

ではなぜ輸入解禁したのか。台湾が自由貿易を推進し、国際社会の経済システムに参加していることをアピールするだけのものにすぎないのだ。しかし、それを逆手に取った野党が「禁輸」をテーマに公民投票を仕掛けた。食の安全に対する不安を煽(あお)ることで政権に打撃を与えようという作戦だ。

この公民投票の結果に日本が関心を寄せたのは、東日本大震災の後、放射能の懸念があるとして台湾が禁輸している「福島など5県産食品」の解禁に直結するからだ。結果的に「禁輸に不同意」が多数となり、蔡総統は「台湾は、国際社会と共に歩んでいくことを選んだ」と述べた。

「科学的データで安全性が証明されている」という日本の主張が受け入れられ、解禁も間もなくと報じられた。大きな懸案が解決されれば、日台関係はよりいっそう前進するだろう。(H)