
マイク・ポンペオ元米国務長官は、韓国の世界平和統一家庭連合(家庭連合、旧統一教会)の韓鶴子総裁に懲役2年の実刑判決が言い渡されたことについて、「宗教迫害」に繋がるとして判決を批判した。韓氏を巡っては、自宅の金庫などから約260億ウォン(約27億円)の現金が見つかり、捜査当局が教団資金の横領に当たるとして追加起訴。一方、教団側は「信仰上の贈物」で、韓氏が私的に流用した事実はないと反論している。
ソウル中央地裁は8月31日、尹錫悦前大統領への働き掛けを巡る政治資金法違反や請託禁止法違反などの罪で、韓氏に懲役2年を言い渡した。
判決を受け、トランプ第1次政権で国務長官を務めたポンペオ氏は声明を出し、「宗教の自由と表現の自由を重視する全ての人にとって、深刻に憂慮すべきことだ」と表明。「証拠は、韓総裁が宗教的、政治的信条を理由に標的にされたことを示唆している」と主張した。
さらに、高齢で健康上の問題を抱える韓氏が1年近く拘束されていることにも触れ、「これは韓国が苦労して勝ち取った民主主義の価値に対する裏切りだ」と批判。韓国政府に対し、控訴審でこの事件を再考し、韓国が「宗教迫害の道をこれ以上進まないことを願う」と訴えた。
一方、韓国の検察と警察でつくる「政教癒着不正合同捜査本部」は同日、韓氏を業務上横領の罪などで追加起訴したと発表した。捜査の過程で、韓氏の自宅の寝室に設置された金庫や旅行かばんなどから現金約260億ウォンを押収したとしている。
捜査当局は、教団資金を現金化して韓氏の個人金庫などに隠していたとみており、海外宣教師への支援金などの名目で虚偽の会計処理をするなどして、約105億ウォンを横領した疑いがあるとしている。
これに対し、家庭連合韓国教会本部は声明を発表し、横領罪の適用は「宗教的奉献の本質と法理上の成立要件を無視した無理な法適用だ」と反発した。
教団側は、問題となった資金は、信者や教団内の各機関が「信仰的、宗教的な献身の表現として自発的に韓総裁に奉献した信仰上の贈物」だと主張。韓氏が私的に流用した事実はなく、奉献した側の意思に沿って宣教活動など公的な目的に使われたと説明した。
その上で、捜査機関が「宗教的献身の伝統と自律性」を画一的な基準で判断し、信仰固有の文脈を歪曲して私的な横領とみなしたとして、「強い遺憾」を表明。「公権力が刑罰権を乱用する便宜主義的な断罪は容認し難い」とし、裁判を通じて争う姿勢を示した。







