トップ国際韓国【連載】韓国保守は再起できるか(下)執拗な「内乱清算」に萎縮 地方選善戦なら足掛かりに

【連載】韓国保守は再起できるか(下)執拗な「内乱清算」に萎縮 地方選善戦なら足掛かりに

6日、ソウル市中心街で行われた「反李在明」集会

 李在明(イ・ジェミョン)大統領は今月3日、尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領(当時)による「非常戒厳」宣言から1年たったことを受けて対国民特別声明を発表し、「いわゆる内乱清算」(保守系大手紙・朝鮮日報)を今後も続ける考えを示した。記者会見で「戒厳(内乱)清算が長くかかり過ぎ、疲労感がたまっている」との指摘が出ると、「最後までやらなければならない」と応じ、意に介さなかった。

 8年前、朴槿恵(パク・クネ)大統領(当時)の弾劾を契機に始まった、保守派叩(たた)きのいわゆる「積弊清算」も執拗(しつよう)に行われた。まさに同じような光景が繰り広げられている。

 関係者によると、先日行われた韓国軍の進級人事で核心幹部である大将8人と中将20人余りが全員交代させられた。新たな中将候補に送られてきた質問用紙には「尹錫悦政権がやった戒厳令を内乱と思うか思わないか答えよ」と書かれてあったという。「内乱だと思う」と答えなければ進級できない一種の踏み絵である。

 「戒厳令=内乱罪」という法的結論が出る前に内乱のレッテル貼りを進め、国家安保の指揮を執る軍幹部の進級に政治的回答を強要する李政権のやり方に、保守派は嫌悪感を抱いている。

 だが、「内乱清算」ムードをひっくり返す有効な手立ては見つかっていない。尹氏弾劾に反対した保守派の30代男性は「大統領夫妻に始まり国務総理や野党幹部などが次々と戒厳令の同調勢力とみなされ、検察の聴取を受けたり、逮捕・起訴されている。保守派は自分もいつ捕まるだろうかと萎縮し、逮捕の番号札を引いて待っているような心境」と述べた。

 李政権は、少なくとも来年6月の統一地方選挙までは「内乱清算」に邁進(まいしん)するとの見方が多いが、仮にこの選挙で保守政党が善戦した場合、再起の足掛かりを掴(つか)む可能性はある。

 選挙情勢に詳しい韓国時代精神研究所の厳垌煐(オム・ギョンヨン)所長はこう指摘する。

 「注目される17の広域自治体首長選挙は世論調査などでは与党有利だが、僅差になる可能性もある。現段階で確実に与党優勢なのは全羅道や済州島など6カ所、最大野党の国民の力はソウル市や慶尚道など7カ所。京畿道など流動的な所をどちらが取るかがカギを握るが、最終的に事実上の引き分けに終われば、保守政党の善戦という評価につながる」

 同時に実施される国会議員補欠選挙では、元国民の力代表の韓東勲(ハン・ドンフン)氏や今年恩赦された革新系野党「祖国革新党」の曺国(チョ・グク)氏などの出馬が取り沙汰されており、保守再起の行方を占う要素になる可能性もある。

 革新政治の地盤となってきた南西部の光州では、ちょっとした異変も起きた。今年10月の地元世論調査で、20代男性の政党別候補支持率で国民の力候補が33・6%に達し、与党で最も高かった候補の2倍以上だった。

 李大統領は就任後、改革と称して事実上の司法飼いならしを堂々とやってきた。左傾化教育の影響が著しい40代から60代前半と安保意識が男性より薄い20代30代女性、地域的には反保守の牙城である全羅道の有権者などがコアな支持基盤として李氏を支え、「大きな失敗をしない限り支持を撤回しない」(厳所長)ため、李氏は高支持率の上にあぐらをかいている。

 しかし、大統領に当選する前から「李在明氏だけは大統領になってはならない危険人物」という声があちこちで上がっていた。

 韓国政府系シンクタンクの元トップは、李氏が自分の中で四つの事柄を重視していることが見えてきたと言う。

 「1番目は自分と家族、側近らが法的処罰を受けないで済む保身。2番目が李政権と与党から出てくる法案から分かる社会主義路線の推進。3番目は中国に対する低姿勢。中国批判をできない何らかの理由があるのは明らかだ。そして4番目は米国に対するダブルスタンダード。同盟国として残るというジェスチャーを示しながら、本心は親中だ」

 韓国保守の再起が待たれる。

(ソウル上田勇実)

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