韓国紙セゲイルボ「社説」

第2次トランプ米政権が5日までに、国家安全保障戦略(NSS)報告書を公開した。最も目に付くのは北朝鮮関連の言及が完全に無くなった点だ。トランプ1期目のトランプ政権のNSS報告書に17回登場した北朝鮮が今回は跡形もなく消えた。おのずと北朝鮮の核兵器および核能力の除去を意味する既存の「韓半島非核化」という表現も削除された。中国が最近出した軍備統制関連白書で「韓半島の非核化を支持する」という文言を省略したことと時期的に重なる。韓半島情勢がこれまで経験したことのない激動に陥っていくようで、懸念を禁じ得ない。
トランプ大統領は第1期4年の間、北朝鮮の金正恩総書記と合計3回会った。トランプ氏の非核化圧力に金総書記が抵抗し、結局、会談が決裂したことは広く知られた事実だ。第2期の始まりと同時にトランプ氏は、北朝鮮を「核兵器保有国」と呼び、対話再開を要請した。これに呼応するように金総書記側は「非核化を議題から外せばいくらでも米国代表団と会う用意がある」との意思を表明した。米国がNSS報告書から韓半島の非核化を消したことが、トランプ・金正恩首脳会談の実現に向けた先制的な措置ではないかとの疑問を抱かせる部分だ。
李在明政権は、米朝接触を積極的に歓迎するとの立場だ。先の文在寅政権のように、米朝対話は必ず南北関係の改善につながるだろうという期待のためだ。だが、韓国を排除した米朝首脳会談で、「米国は北朝鮮の核兵器保有を事実上容認し、その代わりに北朝鮮は米本土を狙った大陸間弾道ミサイル(ICBM)計画を廃棄する」というふうに結論が下されれば、韓国にとって最悪のシナリオに他ならない。外交・安保当局は、早晩始まり得る米朝間の論議から韓国が疎外されることは決してないように、警戒と対応準備に万全を期さなければならない。
今回のNSS報告書で米国は、韓国に国防費の増額を促すなど「より大きな役割」を担うことも注目した。台湾防衛をインド太平洋地域の最優先目標に設定した米国が、中国牽制(けんせい)に全力を傾ける間、北朝鮮の脅威から韓半島の安定と平和を守ることは韓国が担うべきだという意味に解釈される。先に李在明大統領が何度か言及した「自主国防」の実現が一層急がれるわけだ。韓国政府は、米政権も同意した原子力潜水艦の建造などに最大限のスピードを出すことで、自身が自らを防衛できる態勢を一日も早く備えるよう願う。(12月8日付)
「セゲイルボ」






