韓国紙セゲイルボ「社説」

韓国と米国間の関税・安保交渉が最終妥結したが、進むべき道は遠い。関税分野では、韓国の3500億㌦対米投資を条件に、米国が韓国産自動車・部品関税と相互関税を15%に下げる既存の合意がそのまま確定した。半導体などでも競争国より不利でない条件が約束された。対米直接投資の限度は、年間200億㌦に設定した。10月に両国が首脳会談で合意した内容がそのまま文書で公表され、米国発関税の不確実性を取り除いたことは評価に値する。
しかし今はまだ緊張を解く時ではない。李在明大統領はファクトシート(関税・安保交渉の結果)発表の際、「これからが始まり」だと述べた。当面、今回の合意で対米投資の「商業的合理性」が示されたが、それでも投資先の選定や時期は五里霧中だ。韓国の産業通商部長官(閣僚)が協議委員長になっているが、産業選定の推薦権と最終決定権は米投資委員会とドナルド・トランプ米大統領が握っている。外国為替市場が不安な時、投資金の納入規模と時期調整を要請する安全装置もきちんと作動するか疑問だ。
いまや民間が力と知恵を集め一体となって動かなければならない時だ。李大統領は16日、李在鎔サムスン電子会長など大企業の総帥7人と会って「企業活動の障害を最小化することに総力を尽くす」とし、対米投資に伴う国内投資の縮小を心配した。4大グループの総帥らも少なくとも800兆ウォンの国内投資を約束して応えた。今後、米国との追加協議と投資の履行過程でも民間の協力が重要だ。政府は対米投資が無駄にならないように企業と緊密にコミュニケーションを取り、投資プロジェクトの事業妥当性を綿密に検討し、国内企業の参加も最大限保障しなければならない。企業もまた投資と革新を通じて米国内で第2の成功神話を作り出さなければならない。
安保分野にも課題が山積している。米国が、最大の成果として挙げる原子力潜水艦(原潜)建造を承認したというが、どこで建造するのかはあいまいだ。中国を刺激する素地も多分にある。ダリル・コードル米海軍作戦部長は「その潜水艦が中国を抑止するために活用されるのは当然の予測」だと言った。中国は既に「慎重な処理」を云々(うんぬん)し、不快感をあらわにしている。韓国がまかり間違えば、米中の「クジラの争い」に巻き込まれて不利益を被るのではないか心配だ。韓中関係の管理がかつてなく重要だ。ウラン濃縮と使用済み核燃料の再処理も、韓米原子力協定の改正を含む至難の後続協議が必要だ。政界も消耗的な政争を止めて、超党派的な協力を惜しんではならない。
(11月17日付)
「セゲイルボ」






