トップ国際韓国APEC控え、心配な外交・安保ラインの食い違い【韓国紙】

APEC控え、心配な外交・安保ラインの食い違い【韓国紙】

韓国紙セゲイルボ「社説」

朝鮮半島「2つの国家」論をめぐり韓国政府の外交・安保ライン高官たちが連日、食い違う見解を示しており政策に混乱をきたしている(セゲイルボより)

 政府の外交・安保ラインの高官たちが敏感な懸案を巡って、連日、食い違う立場を示し、政策の混乱を煽(あお)っている。安圭伯国防部長官(国防相)は先月30日、「双方が訓練を中止すれば分からないが、われわれが一方的に中止することはできない」とし、「軍人は基本的に訓練しなければならない」と語った。先月25日、9・19南北軍事合意(2018年)の先制復元のため、まず韓国軍の南北境界地域での訓練中断を言い出した鄭東泳統一部長官(統一相)の主張に対し、反対の立場を明らかにしたものだ。通常、外交・安保事案は内部的に異見があっても対外的には一致した発言をすることが基本原則だ。李在明政権の対北政策の方向性が崩れたのではないか疑わしい。

 先月24日には鄭長官が「南北は事実上の二つの国家」だと発言すると、魏聖洛国家安保室長が李大統領の国連総会演説を説明し、「政府は二つの国家論を支持したり認めたりはしない。これは(大韓民国の領土を韓半島とその付属島嶼〈とうしょ〉と規定する)憲法にも合致する観点」だと反駁(はんばく)した。「政府の公式的な立場は何か」という指摘が溢(あふ)れ、混乱を煽った。李大統領が国連総会で明らかにした「ENDイニシアチブ」を巡る食い違いもそうだ。外交・安保ラインの調整されていない発言は、国際社会で韓国の外交・安保政策の信頼性と一貫性を毀損し得るという点で極めて危険だ。北朝鮮にも誤った判断の口実を与えることは明らかだ。何のメリットにもならない。

 李在明政権の外交・安保ラインは異質な構成をしている。北朝鮮との協力を強調する「自主派」と韓米同盟を重視する「同盟派」が共存している。政界では鄭長官と李鍾★国家情報院長などを自主派に、魏国家安保室長、趙顕外交部長官(外相)などは同盟派に分類している。そもそも異なる主張の人々を一緒に重用し、外交・安保政策を一糸乱れず推進しようとすること自体が無理ではなかったか顧みるべき時だ。

 今月31日のアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議を控えて、韓米関税・安保交渉はもちろん、韓中、米中首脳会談など熾烈(しれつ)な韓半島外交戦が予告されている状態だ。彼らの不協和音が拡大し得るとの懸念は小さくない。難しくても李大統領が乗り出して、懸案全般にわたって一つのメッセージ送出戦略を練り、自主派・同盟派の人々も国益を優先する姿勢で敏感な発言は自制しなければならない。それが国家の信頼下落を防ぐ道だ。朝米対話で予想される「コリア・パッシング(素通り)」の可能性も減らすためだ。(10月3日付)

 ★=「大」の両脇に「百」

「セゲイルボ」

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