【ソウル上田勇実】韓国元徴用工による訴訟と関連し、勝訴した原告である被害者とその遺族への賠償金支払いを巡り、日本企業の肩代わりをする第三者弁済を行ってきた「日帝強制動員被害者支援財団」の沈揆先(シム・ギュソン)理事長が先月中旬、辞任していたことが分かった。同財団が9日、本紙に明らかにした。
辞任について、沈氏に近い関係者は「個人的事情」と述べた。李在明大統領は第三者弁済の継続を表明していたが、沈氏辞任が今後、及ぼす影響に関心が集まりそうだ。
同財団ホームページには9日正午現在、沈氏が理事長として記した挨拶文が掲載されているが、「管轄部署である行政安全部が辞任手続きを終了し次第、削除される」(同財団関係者)という。
沈氏は2022年、日韓関係改善に舵を切った尹錫悦前政権下で理事長に就任。韓国政府の解決案に沿って第三者弁済に奔走し、1965年の日韓請求権協定により経済的恩恵を受けた韓国16企業などを中心に、財源確保への寄付を働き掛けてきた。李政権発足後も「財源確保を楽観視していた」(東北アジア歴史財団の関係者)最中だった。
仮に沈氏の後任に、歴史認識問題などを巡る対日強硬派が起用された場合、第三者弁済が行き詰まる恐れもある。魏聖洛・国家安保室長など李政権の周辺からは「第三者弁済プラスアルファが必要」との認識も示され、一部では同問題と関係がある日本企業からの資金拠出を求める声も出ていた。李大統領による後任人事が、今後の焦点になる。






