韓国紙セゲイルボ「社説」

今年に入って2度の追加更正予算案(補正予算案)が編成され、国民の税金で返さなければならない「赤字性債務」が900兆ウォンを超えたことが分かった。昨日公開された国会予算政策処の「2025年度第2回補正予算案分析」によれば、2次補正編成で今年の国家債務の総額は1300兆6000億ウォンに増加し、この中で赤字性債務は923兆5000億ウォンに増えた。総国家債務に赤字性債務が占める割合も初めて70%を超えた。歴代政権ごとにばら撒(ま)き政策を乱発し、債務管理に手をこまねいてきた結果だ。財政を湯水のように使った文在寅政権を経て、財政健全性に赤信号が灯(とも)って久しい。
赤字性債務は対応資産のない国庫債などで構成され、租税など一般財源で償還しなければならない。国民の負担に転換される恐れがある上に、財政運用の困難を加重する。細心の管理が必要なのに、今は管理目標すらない実情だ。政府は財政準則の法制化を推進する際に「国家債務の総量を国内総生産(GDP)比60%以内で管理する」という内容を入れたが、赤字性債務の場合は別途の管理目標を設定しなかった。今からでも政府は赤字性債務を管理するための具体的かつ実効的な目標と方策を示さなければならない。
今後がさらに問題だ。現政権は景気低迷の克服と民生回復のための財政拡張基調を明らかにした。李在明大統領は補正予算の施政演説で「経済危機に政府が手をこまねいて緊縮だけに固執するのは無責任な傍観であり、政府の存在理由を自ら否定すること」だと表明した。赤字性債務の増加は火を見るよりも明らかな状況だ。国会は今回の補正予算案の審議から非効率的なバブルは取り除くという姿勢で臨まなければならない。
今後5年間で210兆ウォンの追加財政が必要になると推算された大統領選公約の再調整も急務だ。国政企画委員会中心に進められる大統領選公約の選別過程で、児童手当支給年齢の拡大や基礎年金引き上げのような現金支援性の公約は、再調整する必要がある。
こうした状況で、具潤哲経済副首相兼企画財政部長官候補者が今年の初めに発刊した著書で、韓国型基本所得および基本住宅制度を骨子とした包容的財政運用を提案した点は憂慮される。そんな人物に財政管理の主務部処の長を任せても問題がないだろうか。李大統領は中道層求愛戦略の一つとして、自身の基本所得・基本住宅構想は大統領選公約集にも入れなかった。政権に就いたからといって、基本政策が具候補者を通じて再推進されることはあってはならない。
(7月1日付)
「セゲイルボ」