トップ国際韓国あす韓国大統領選 野党・李氏「内乱に圧倒的審判を」 与党・金氏「刑務所行く人選ぶな」

あす韓国大統領選 野党・李氏「内乱に圧倒的審判を」 与党・金氏「刑務所行く人選ぶな」

 

韓国大統領選挙の投開票が3日実施される。優勢が伝えられる革新系野党・共に民主党の李在明(イ・ジェミョン)候補と、これを追い上げる与党・国民の力の金文洙(キム・ムンス)候補による選挙戦終盤の遊説現場を追った。(韓国京畿道平澤・水原=上田勇実、写真も)

防弾ガラスに囲まれた演題で話す李在明氏=5月 31日、京畿道平澤市

「内乱首謀者(尹錫悦前大統領)が金文洙を当選させてほしいと訴えている。彼らを圧倒的に審判し、懲らしめ、二度と再び(内乱を)夢見ることがないようにする自信が皆さんにはあるか」

先月31日、京畿道平澤(ピョンテク)市(韓国中西部)で野外遊説に臨んだ李在明氏は集まった数千人の有権者を前にしてこう語った。昨年12月の尹(ユン)氏による「非常戒厳」宣言を「内乱」と非難し、閣僚の一人でもあった金氏に「内乱」のイメージを被(かぶ)せ、有権者に拒否感を抱かせようというわけだ。

韓国では、李氏が当選し権力の一極集中が現実のものになることへの危機感が根強い。それだけにアンチも多く、李氏の周囲はテロを警戒している。李氏が遊説会場に到着する直前、「警察特別攻撃隊」と記されたチョッキを着せた警察犬が演壇に上がり、危険物の有無を確かめていた。演壇はこの日も三方を防弾ガラスで囲み、近接の警護員たちが左右3人ずつ立って、時折、双眼鏡で遠方を監視するなど、現職大統領顔負けの警護体制を敷いていた。

それでも李氏に対する有権者の支持は固い。遊説会場にいた60代のある女性訪問看護師は、李候補について「既得権(保守層)からどんなにたたかれても生き残り、平凡な市民を代表している。李候補への批判や誹謗(ひぼう)中傷は権力を握ってきた側の評価にすぎない」と話した。

李氏は演説で対北朝鮮政策にも触れ、「戦う必要のない平和をつくるのが本当の安保だ」と主張した。だが、核・ミサイルをはじめ多種多様な兵器で周辺国を脅かす北朝鮮の金正恩総書記は、韓国を一貫して無視。大統領に当選した場合、厳しい現実が待ち構える。

演説する金文洙氏=1日、京畿道水原市

一方、金文洙氏は1日、京畿道水原(スウォン)市(韓国北西部)の光教(クァンギョ)新都市で野外遊説を行った。会場には約千人が集まり、金氏自身も2期務めた京畿道知事の経験者たちが応援に駆け付けた。

金氏は「李在明氏も京畿道知事だったが、民選以降の歴代知事のうち李氏以外が全員、私を支持してくれた。(公職選挙法違反などの)罪を犯し刑務所に行くべき人が大統領になったら国全体が犯罪の束になってしまうからだ」と述べた。

また金氏は、「李氏が防弾チョッキを着て防弾ガラスで演壇を囲み、自分が拘束されないように防弾法を国会で通過させている」と批判。選挙用ジャンパーを脱いで、自身は防弾チョッキを着用していないと明らかにし、「公職を利用して不正を働くような真似(まね)はしない」「クリーンな大統領になる」などと訴えた。

同市在住で金氏を支持するという元国家公務員(経済部署)の80代男性は「税金を自分勝手に使う恐れがある李在明氏の経済政策は間違っている。実直で決して自分の利益誘導に走らない金氏なら信用できるし、国を任せられる」と述べた。

支持率で李在明氏、金文洙氏に次いで3位につける改革新党の李俊錫(イ・ジュンソク)候補は、「新保守」を標榜(ひょうぼう)し、各地で若者へのアピールを繰り返した。仮に今回、当選を果たせなくても「次回や次々回をにらんだ足場作り」(共に民主党関係者)になるとの見方が出ている。

先月29日、30日の期日前投票では全有権者の34・74%が投票を終えた。3日は午前6時から午後8時まで全国各地で投票が行われ、終了直後に地上波3社合同の出口調査が発表される。

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