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【韓国紙】大統領のマグショット

韓国紙セゲイルボ・コラム「説往説来」

高官犯罪捜査庁(高捜庁)での取り調べ後、ソウル拘置所に移送される韓国の尹錫悦大統領=1月15日、ソウル近郊(EPA時事)

ドナルド・トランプ次期大統領の政権移行チームが今月16日、第47代米大統領に就任するトランプ氏の公式写真を公開した。その日公開された写真の中のトランプ氏は、2020年大統領選挙の結果を覆そうとした容疑で起訴された23年8月、ジョージア州で撮影したマグショット(顔写真)と似た表情で撮っている。当時、トランプ氏は頭を少し下げた状態で目を上げて正面を凝視したが、47代大統領の公式写真もそっくりだ。普通の大統領の笑顔の写真とは違うポーズだ。英日刊紙ガーディアンは「挑戦的な表情で“強靭(きょうじん)な男”を見せようとしているようだ」と分析した。

マグ(mug)は大きな杯という意味もあるが、俗に顔の意味にも使われる。マグショットの派生した意味は、犯罪者の人相着衣の記録用写真だ。警察署の留置場や拘置所、刑務所に拘禁される過程で名札や囚人番号を持って通常正面から1枚、側面から1枚撮る。当然、公開されると恥となる。マグショット制度を施行する代表的な国は米国だ。西部開拓時代に懸賞手配犯を捕まえるためにつくった慣行から生まれたという話が通説として伝わる。

1994年、元妻を殺害した容疑で警察に逮捕されたアメフトのスター、OJシンプソンのマグショットは当時、米誌タイムの表紙に掲載されるほど波紋が大きかった。2017年に自宅の近くで飲酒運転で逮捕された“ゴルフの皇帝”タイガー・ウッズのマグショットは当時、腫れた顔と重く重なった瞼(まぶた)などが赤裸々に映っており、自尊心を傷つけられざるを得なかった。昨年5月には全米男子プロゴルフ(PGA)ランキング1位のプロゴルファー、スコッティ・シェフラーが警官暴行の疑いでマグショットを撮影され、「正しい生活の男」という名声に傷を残したりもした。このようにマグショットは大部分、犯罪と関連した否定的なイメージが多い。

内乱首魁などの容疑で今月19日に逮捕された尹錫悦大統領がソウル拘置所で未決囚に支給される収容服を着てマグショットを撮影するという。万一公開されれば、メディアの1面を飾る歴史的な写真となるだろう。しかし、わが国は無罪推定の原則と被疑者の人権保護を理由に、マグショットを公開しない。大統領がどのような表情とポーズでマグショットを撮るのかは分からない。ただ、彼が残したマグショットで国の品格が一緒に失墜した点は明らかに記憶されるようだ。

(1月20日付)

※記事は本紙の編集方針とは別であり、韓国の論調として紹介するものです。

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