
【ワシントン川瀬裕也】米ニューヨーク州の連邦地裁は21日、トランプ政権が75カ国の国民を対象に移民ビザの発給を一律停止していた政策について、連邦法に反するとして無効とする判決を下した。ジャネット・バルガス連邦地裁判事は、マルコ・ルビオ国務長官による法的権限を超えた措置だと指摘した。判決は、移民政策を進めるトランプ政権にとって打撃となる。
国務省は1月21日から、アフガニスタンやイラン、ロシアなど75カ国の国民に対する移民ビザの発給を停止。対象国からの移民について、米国内で生活保護など公的扶助に依存する「公的負担(パブリック・チャージ)」となる可能性が高いとして、審査制度を全面的に見直すまで発給を停止すると説明していた。
国務省は対象者についても申請の受け付けや面接を継続し、領事官が個別に公的負担となる可能性などを審査するよう求める一方、最終的に資格を満たしていると判断された場合でも、対象国の国民であることを理由にビザを発給しないよう指示していた。
バルガス判事は判決で、移民国籍法は移民ビザの発給に際し、国籍などを理由とする差別を禁じていると指摘。さらに、ビザ発給の可否を判断する権限は法律上、個々の領事官に与えられているとして、国務長官が国籍を基準に一律で発給拒否を命じることは「明らかに違法」だと判断した。
判決は政策そのものを無効としたほか、この政策のみを理由として既に拒否された移民ビザ申請についても拒否処分を取り消し、領事官による再審査を求めた。ただ、公的負担や安全保障上の理由など、別の法的根拠に基づく拒否には影響しない。
国務省は判決を受け、「ビザ申請者に最高水準の審査を適用することで米国民を守っている」と強調する一方、係争中の訴訟についてはコメントしないとしている。







